トヨタを代表する『クラウン』は、今年で初代登場から実に70周年を迎えた。そこで今回は、イラストと写真で構成された手元にある当時のリーフレットで、1955年1月発売の初代RS型をご紹介してみたい。
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独自の純国産技術だけで完成したのがRS型・初代トヨペット・クラウン。エンジン以外はすべて新設計とし計画から製品化まで3年を費やしたクルマだったという。それまでのトラックと共用していたシャシーも乗用車専用に開発。フロントサスペンションには日本では初めてダブルウイッシュボーンが式が採用された。
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エンジンは当初1.5リットル(1453cc)の4気筒OHVを搭載、62ps/11.2kgmの性能を発揮。追って1.9リットル(1897cc・90ps/14.5kgm)も設定。トランスミッションにはユニークなオーバードライブ付きの前進3段・後退1段が組み合わせられた。
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リーフレットの文面を見ると「スピードに対するエンジンの負荷を軽くしてエンジン音を低くし、燃料消費を下げ、エンジンそのものの寿命ものばす」と記されている。“トヨグライド”と呼ばれた日本初のATも設定された。
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外観ではこのクルマのニックネームにもなった、センターピラー側から後席ドアが開く“観音開き”のドアが特徴。インテリアでは2スポーク・コーンタイプのステアリングホイールや、弾力性のある柔らかなパッドで大きく覆われたダッシュボードなどが、リーフレットでは謳われている。