お膝元のドイツ国内工場の閉鎖をめぐり経営陣と激しく対立しているフォルクスワーゲン(VW)グループの労働組合が、ついに大規模ストライキに踏み切ったという。
きょうの各紙も「VW労組がスト、独工場閉鎖反対」などと取り上げているが、短時間の警告ストとはいえ、VWでのスト突入は2018年以来、6年ぶりとなるそうだ。
記事によると、ドイツの国内工場では所属する労組が異なる1工場を除く全工場で、従業員は作業を中断して集会を開いたり、早退したりしたという。従業員で構成する労働評議会のダニエラ・カバロ代表は「工場閉鎖、大量解雇、賃下げは越えてはならない一線で、受け入れない」とする声明を出したとも報じている。
VWの経営陣は9月、創業以来初となる独国内工場の閉鎖を検討すると発表。労組側は11月下旬の交渉で、昇給の保留などで15億ユーロ(約2400億円)を削減し、工場閉鎖を回避する対案を示したが、11月末の回答期限まで経営陣は受け入れなかったという経緯がある。
また、次回の労使交渉は12月9日を予定しているが、交渉がまとまらなければ無期限ストに発展する恐れもあり、「雇用不安が他業種に波及すればドイツ経済のさらなる悪化につながる可能性がある」(日経)とも伝えている。
年の瀬を迎えて今年話題の「新語・流行語大賞」が発表されたほか、読売では恒例の読者が選ぶ「10大ニュース」の投票締め切りも来週12日に迫っているが、世界の自動車メーカーをみれば、労使対立のVWや業績悪化の日産自動車など重要な経営課題も山積しており、不安を抱きながらの越年となりそうだ。
2024年12月3日付
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