手軽に装着できるチューニングパーツとして人気のボディ補強パーツ。ストラットタワーバーなどを代名詞としたボディ補強パーツは、ボディ剛性をアップすることでハンドリングを変えたり、安心感をアップさせたりする狙いがある。
そして数万円から購入できる手軽さも人気の秘密となっている。では、どんな補強パーツをどのようにして選べば良いのだろうか? まずボディ補強パーツは、いくつかの種類に分かれる。
◆ボディ補強パーツの種類
1:ボディ剛性をアップさせるパーツ
こちらはストラットタワーバーや左右のフレームをつなぐバーなどボディ剛性自体を高める狙いで装着するパーツ。厳密に言えばレーシングカーやサーキットを走行するクルマに装着されるロールバーもこの種類に当たる。 難しいのはボディ剛性は高ければ高いほど、必ずしもクルマの動きが良くなるとは限らないこと。
2:サブフレームとボディの低結合性を高めるパーツ
多くのクルマでサスペンションはサブフレームに取り付けられていて、そのサブフレームがボディにネジで止められている。
このサブフレームとボディの接合部を強化することで、その部分のガタをなくし、操作に対するクルマのリニアな反応をもたらそうと言うのが狙い。
純粋にボディ剛性を高めようというよりは、サブフレームとボディのつながる剛性を高めることが狙い。
リアのサブフレームとボディの間に入れるカラーや、サブフレームブッシュを純正のゴムからジュラコンなどに作り替えたパーツも同じような狙いだ。
◆バランスが重要
大きく分けると、このようにボディ剛性自体を高めるパーツと、動きやすい部分を規制していくパーツの2種類に分かれる。気をつけたいのはどちらもそのバランスが重要だということ。
ボディ剛性は高ければ高いほど良いわけではない。気持ちよくコーナリングするためにボディ全体がある程度品なるように設計されている。そこで例えばフロントまわりだけとか、リアまわりだけの剛性を高めてしまうと、クルマのボディ全体が綺麗に歪んで曲がらなくなってしまい、気持ち良いコーナリングができなくなってしまう。
そのためボディ剛性アップをさせるのであれば、前後をバランスよくアップさせるなど、ある程度の配慮が必要になる。この辺はプロショップやボディ剛性アップパーツをリリースしているメーカーなどがデータを持っているので、どんな順番で装着すればいいかなど、プロに相談の上で行うようにしたい。
サブフレームの締結剛性をアップさせるパーツについては、それほどボディ剛性バランスなどが変わるわけではないので心配は要らない。しかし、サブフレームとボディの間はゴムブッシュが入っていて、それによって振動や異音などが吸収されている。
そこにカラーを入れてリジット化したり、そのブッシュを固いものにすると、確実に振動や異音は増え、快適性は落ちていく。エンジンマウントを強化したような不快感はないが、それでも車種によってはかなり振動や音が増えてしまうこともあるので、その辺はリジット化するのか、強化ブッシュにするのかなど狙いとデメリットを考えて装着してもらいたい。
◆自分がどのようなハンドリングを求めるのかでパーツが変わる
どちらの剛性パーツにせよ、重要なのは、自分のクルマをどうプロデュースしていくかを決めること。
ボディ剛性アップパーツはリーズナブルだが、数万円でも思った以上に聞いてくる。なので、やりすぎるとがっちり感はあるものの曲がりにくかったり動きの重い車が出来上がることがある。
その辺どんな動きにしたいのか、例えば軽快にコーナリングをしたいのか、高速道路での安定感がもっと欲しいのかなど、どんなシチュエーションでどういったところをよくしたいのかを考えた上でパーツを導入してもらいたい。
さらにサブフレームとボディの締結部分などを見直すとサブフレームの位置が補正され、アライメントが変わってくることがある。剛性アップパーツ装着後はホイールアライメントの測定と調整が必要になる場合もある。ボディや締結剛性の変化によってハンドリング自体が変わってくるので、その辺のチューニングをした後は、アライメント調整をして、その部分でも理想のハンドリングを目指すのがオススメだ。