タイヤのメンテナンスはいくつかあるが中でももっとも大がかりなメンテがタイヤ・ローテーションだ。消耗部品の中でも比較的高価なタイヤのライフを伸ばすためにも必須の項目なのでチェックした。
タイヤはクルマの消耗部品の中でも比較的高価なのはご存じの通りだろう。しかし安全性に直結するので簡単に節約できるものでもない。ケチって摩耗限界を超えて使い続けると明らかに危険だ。そこで少しでもタイヤ・ライフを伸ばすために工夫を実施しておくのも賢く&経済的にカーライフを送るためのアイデアだ。タイヤの持っている寿命をしっかり使い切って、ムダ無くタイヤ・ライフをまっとうさせるように心がけよう。
◆基本の空気圧管理
そこでユーザーが自分でできるタイヤ・メンテナンスの項目を紹介してみることとした。もっとも基本となるのは空気圧の管理だ。空気圧が減ったまま走行しているとタイヤが偏摩耗することがある。トレッドが偏って減ってしまうことで、本来のタイヤが持っているライフよりも早めに交換時期が来てしまうことになるので要注意だ(例えばトレッドのセンター部分はしっかり溝が残っているのに、タイヤの内側のトレッド面だけがツルツルにすり減っているケースなど)。
また減りの問題も大切なのだが適性空気圧から外れているとタイヤトラブルの原因にもなるので要注意だ。タイヤの空気圧は定期的にチェックして、規定値より減っている場合には補充する必要がある。適性空気圧はドアの内側などに表示されているので、空気圧チェックの際には確認してみよう。ガソリンスタンドにはタイヤの空気圧測定用のエアゲージや、エアを補充するためのエアコンプレッサーが設置されているので、給油する際に空気圧チェック/エアの補充をしておくと良いだろう。
◆タイヤ・ローテーションする理由
タイヤの日常点検としては空気圧管理が大切なのだが、もうひとつの重要なメンテナンス項目がタイヤ・ローテーションだ。タイヤは四輪が均等に減っていくわけではなく、それぞれに摩耗のバラツキがある。駆動がFFなのかFRなのか、走行状態や乗車人数、積載の荷物などにも影響されるので、ケースバイケースとなる(例えばFF車の場合は右前のタイヤがもっとも摩耗する)。しかし、偏って摩耗したままにしておくと、特定のタイヤだけが摩耗限界を迎えてしまい、他のタイヤがまだ使える状態でも交換を余儀なくされるので不経済と言えるだろう。
そこで四輪のタイヤを均等にすり減らして、ムダ無くタイヤ・ライフをまっとうさせるために効果的なのがタイヤ・ローテーションだ。その名の通り、四輪のタイヤをローテーションさせて組み替える作業のことを指している。ローテーションを実施する時期は5000km走行ごとがひとつの目処だ。車検や定期点検、サマータイヤ/スタッドレスタイヤの履き替えなど、ちょうど良いタイミングを選んでローテーションを実施するのが良いだろう。
もちろん、車載ジャッキとスペアタイヤ、タイヤレンチ、トルクレンチを用意すればDIYでローテーション作業を実施することもそれほど難しいことではないので、クルマ好きなら必要な工具や作業手順をマスターした上でチャレンジしてみると良いだろう。
◆ローテーションのパターン
タイヤ・ローテーションの方法は大きく分けて2パターン。タイヤに回転方向がある場合は右前輪←→右後輪、左前輪←→左後輪を入れ替える作業になる。一方、回転方向の無いタイヤイヤの場合には右前輪→右後輪→左前輪→左後輪→右前輪の順に入れ替え、文字通り四輪をぐるりとひとまわりさせるローテーションを実施する感覚。いずれの場合でも各タイヤの減りのバラツキを抑え、少しでも均等に減らすことができるのがメリットだ。
安い買い物ではないタイヤなので、少しでも長持ちさせたいというのが人情だろう。そこでタイヤの空気圧管理と、定期的なタイヤ・ローテーションを実施して、本来タイヤが持っている寿命をフルに使い切ることを目指そう。偏った摩耗が起こってしまう前に早めのタイヤ・ローテーションを実施してみよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。