ホンダ独自の協調人工知能によって自動運転を実現! マイクロモビリティ『サイコマ』『ワポチ』、一般向け実証実験スタート | CAR CARE PLUS

ホンダ独自の協調人工知能によって自動運転を実現! マイクロモビリティ『サイコマ』『ワポチ』、一般向け実証実験スタート

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歩車共存エリアで走行するCiKoMa(サイコマ)
  • 歩車共存エリアで走行するCiKoMa(サイコマ)
  • 協調人工知能「Honda CI」を搭載したCIマイクロモビリティ、『CiKoMa(サイコマ)』(左)と『WaPOCHI(ワポチ)』(右)
  • 専用のコマンダーでCiKoMa(サイコマ)を呼び出しているシーン
  • 車体に備えられたカメラで周囲の人や自転車などを検知して、必要に応じて停止したり、避けて通ったりする
  • CiKoMa(サイコマ)の前方検知用に備えられたステレオカメラと単眼カメラ
  • CiKoMa(サイコマ)の速報検知用に備えられた単眼カメラ
  • 本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域でエグゼクティブチーフエンジニア 安井裕司氏
  • 24年夏頃にはCiKoMa(サイコマ)の技術を搭載する二人乗りの四輪電動モビリティ『Honda CI-MEV』も搭乗予定。写真はジャパンモビリティショー2023に出展された車両

ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所は、アグリサイエンスバレー常総(茨城県常総市)において、協調人工知能「Honda CI」を搭載したCIマイクロモビリティの一般向け自動走行技術実証実験を2月より開始する。

実証実験で展開されるモビリティは、自動走行する搭乗型マイクロモビリティ『CiKoMa(サイコマ)』と、マイクロモビリティロボット『WaPOCHI(ワポチ)』の2つ。実証実験は、人とわかり合える独自のAIである協調人工知能『Honda CI(Cooperative Intelligence)』を搭載した、Honda CIマイクロモビリティの技術実験の一環として実施される。

◆搭乗型の電動マイクロモビリティ『CiKoMa(サイコマ)』

サイコマは施設内の移動を目的に1人~数人までの乗員数を想定した搭乗型の電動マイクロモビリティ。必要な時に専用のコマンダーで呼んで乗車し、任意の場所で降車することが可能となっており、誰でも手軽に自由にラストワンマイルで利用できるのが特徴だ。

車体のフロントには、前方用として単眼カメラとステレオカメラを組み合わせたユニットが搭載され、左右には各2つずつ計4つの単眼カメラと、後方にも単眼カメラを1つ搭載。これによって周辺を360度にわたって認識し、交差点やカーブなどの環境に加え、歩行者や車両の進行方向などから周辺の状態を把握してその行動や潜在リスクを予測する。

これが歩行者と自転車との混合空間である「歩車共存エリア」での自動走行、および一般車両との譲り合いによる一般道と交差点の自動通過を実現する要素となっている。

今後は2024年中に遠隔監視システムを確立し、関係省庁の認可を経て25年中には無人自動走行の実現を目指す。また、24年夏には、ジャパンモビリティショー2023でも出展された、サイコマの技術を搭載する二人乗りの四輪電動モビリティ『Honda CI-MEV』を常総市内で技術実証実験に投入する予定となっている。

◆追従・先導するマイクロモビリティロボット『WaPOCHI(ワポチ)』

一方のワポチは、ユーザーの特徴を記憶・認識し、荷物を載せて人混みの中でもユーザーを追従したり先導することができるマイクロモビリティロボットだ。

手荷物を持って移動する煩わしさから解放されるだけでなく、先導時はユーザーの前方を走行して歩くスペースを確保する役割も果たす。これは、単に目的地に向かって誘導するガイドロボットとは異なり、周囲の環境との協調行動を取りながら快適かつ安心できる歩くスペースの確保に貢献する新たな発想のモビリティと言えるだろう。

◆カギは「地図レス協調運転技術」と「意図理解・コミュニケーション技術」

この2つのモビリティ共通のポイントとなるのが、車両自ら周辺環境を認識しながら自動走行できる「地図レス協調運転技術」と、人と対話やジェスチャーによってコミュニケーションが可能となる「意図理解・コミュニケーション技術」の2つのコア技術の確立にある。

これにより、CIマイクロモビリティはカメラで周辺環境を認識しながらユーザーとのコミュニケーションを取り、状況や意図を踏まえて自ら判断することができる。そのため、あらかじめ設定した経路上だけでなく、車道や歩道、公開空き地など様々な走行環境において、自由に自動走行することが可能となるのだ。

今回の実証実験を通してホンダは、新しい街をゼロから作るのではなく、今ある街に先端技術を加えることで活性化する「レトロフィット型のアプローチ」によって地域への貢献を目指していく。その意味でもCIマイクロモビリティは様々な地域へ適用がしやすく、ラストワンマイルの移動手段としての活用が期待される。ホンダとしては今後、自治体との連携を強化し、交通問題の解決を図るべく技術実証実験の展開を目指していく考えだ。

《会田肇》

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