トヨタ自動車の豊田章男会長は1月30日の会見で、日野自動車、豊田自動織機、ダイハツ工業のグループ各社で相次ぐ不正について「絶対やってはいけないことをやってしまった」とした上で、自らが「責任者としてグループの変革をリードしていく」と述べた。
豊田会長は「(2009年の)世界規模でのリコール問題により、最も大切なお客様の信頼を失うことになった。私はこの時、トヨタは一度潰れた会社だと思った」と振り返った上で、「今、グループ各社にも、当時のトヨタと同じことが起きている」と指摘し、「2009年のリコール問題の時、私はトヨタの責任者として現在、過去、未来すべての責任を背負う、そう覚悟を決めた。あれから14年。トヨタグループ全体の責任者は、この私だと思っている。私自身が責任者としてグループの変革をリードしていく」と表明した。
豊田会長はグループ3社の不正に関して「日野、織機、ダイハツの問題すべてに共通することは認証試験において不正があったということで、これは本当に絶対やってはいけないことをやってしまった」との認識を示した上で「グループ責任者としてお詫び申し上げる」と述べた。
一方、再発防止策やグループの変革に向けては「トヨタも14年前に一度潰れた会社だと思っている。そんな中でトヨタを14年間かかったがいろんな形で変革をしてきた。そして今回の3社はいわばやっちゃいけないことをやったわけであるので、それに対しては会社を造り直すくらいの覚悟でやらざるを得ないと思っている。造り直すという意味はそれぞれの会社が強みを生かし、そして働いている人の今までやってきた仕事が無駄にならないというか、その人が自分の人生をかけていろいろ仕事をやってきたわけなので、そういう人たちがやっぱりこの会社で良かった、変革してもこの会社で良かったと思えるような変革の仕方を探していくことが、私が責任者としてやっていくべきことだと思う」との考えを示した。
またグループ責任者として具体的な仕事として「今年の株主総会17社全部出席する。一度株主の立場としてそれぞれの会社を見させて頂く、勉強させて頂くと伝えている。まずは今年の6月の株主総会に行って、株主の立場、いろんなステークホルダーの立場からトヨタグループを一度見てみよう。そしてそれまでの間、数か月あるので、その数か月どういうことを考え何をしたかということの意見交換をしていきたいと思っている」と話していた。