「飛び石でフロントガラスにキズがついた」なんていうのはよく聞く話である。ガラスのキズやヒビ割れは放っておくと、振動や風圧などで拡大してしまう。キズやヒビが大きくなると、安全な運転の妨げになるためフロントガラスの交換を余儀なくされてしまう。そうなる前に補修を行うことで大きな出費を防ぐことも可能だ。
11月11・12日に福岡県福岡市で開催された自動車アフターマーケット事業者を対象にしたビジネス専門展示会『オートアフターマーケット九州2023(AA九州2023)』には、ふたつの特徴的な“ガラスリペアキット”が展示されていたので紹介したい。
スウェーデン製ウィンドウリペアツール/Mega Vac professional windshield repair
「Mega Vac professional windshield repair(正規日本代理店:auto detailing service DELIGHT)」は、従来のウィンドウリペアツールと比べ“速さと仕上がりの綺麗さ”に優位性があり、スウェーデンのAuto Glass Restore社が1986年に開発以後、フロントガラスリペア専用ツールとして世界中のオートアフターマーケット事業者の間で愛用されているという。
先進的な高効率LEDを3方向から照射するコードレスUVランプを採用。高い真空力と高耐久、高精度のステンレス製インジェクターに紫外線硬化型レジンを充填し、フロントガラスの飛び石キズやヒビ割れをリペアするプロ向けのツールである。
U.S.特許取得/UFIXIT ガラスリペアキット
呉工業株式会社(本社:東京都)が販売する「ユーフィックスイット ガラスリペアキット」は、U.S.特許取得の4点ポジショニングツール採用で初心者でも作業がしやすく簡単に仕上げられることが最大の特徴であり、浸透性に優れた特殊レジンがキズに浸透・硬化することでキズの広がりを防ぎ目立たなくする。
ただし、車種やキズの場所・大きさによってはリペアで対応できない場合があることも知っておく必要がある。
一般的には1.5~2.5cmを超えるような大きさやガラスの縁に近い場所のキズは修理が困難なため作業を断られることが多い。また、運転席の前方にキズがある場合は道路運送車両保安基準の「運転席の視野が確保されていること」に抵触する恐れがあるために交換を促されるケースが多い。さらに、安全装置のカメラ等が装着されているガラスについては、安全装置の作動に影響を及ぼす可能性がある為、メーカー・車種によっては、修理書でウィンドウシールドガラス交換を明記していたり、施工禁止エリアが設定されていたりもする。
上記のように修理するための条件は多く複雑だが、最近のADASを司るカメラやセンサーが搭載されているクルマのフロントガラスを交換すると高額になるケースが多いので、条件さえ合えば修理で済ませたいというのが本音だろう。
とはいえ、自動車の安全に関わる重要な部分なだけに、まずは自動車メーカーの修理書を確認できる整備事業者に相談することをお勧めする。