ヒョンデ(Hyundai Motor)は12月11日、スノーチェーン一体型タイヤを、傘下のキアと共同開発していると発表した。
スノーチェーン一体型タイヤでは、ホイールとタイヤの内側に形状記憶合金モジュールを配置した。これらのモジュールが、電気信号を受信するとタイヤの表面から現れ、「スノーチェーン」として機能する。
取り付けや取り外しが面倒な既存のスノーチェーンとは異なり、スノーチェーン一体型タイヤは、ドライバーがスイッチを押すだけで、形状記憶合金のスノーチェーンを自動的に展開できるのが特長だ。スノーチェーン一体型タイヤは、ピザのように一定の間隔で放射状の溝が設けられたホイールとタイヤのアッセンブリーで構成されており、この溝に形状記憶合金製のモジュールが組み込まれている。
この技術は、電流を流すと元の形状に戻る形状記憶合金の特性を利用したものだ。通常走行時には、ホイール内部の形状記憶合金は「L」字型に圧縮されており、路面とは接触していない。ドライバーがスイッチを押すと、電流が流れて形状記憶合金が元の形状に戻り、素材が「J」字型になり、モジュールをタイヤから押し出して路面に接触させ、雪道でのグリップ、安定性、安全性を向上させるという。
また、タイヤの摩耗が進み、タイヤ表面がモジュールの高さまで摩耗した場合、ドライバーはこの劣化を容易に認識できるため、タイヤ交換サイクルを見逃すこともないという。
スノーチェーン一体型タイヤのテクノロジーは、韓国と米国で特許出願中だ。ヒョンデとキアは、さらなる技術開発、耐久性・性能試験、法規審査を経て、タイヤの量産化を検討する予定、としている。