車内でより良い音を楽しみたいと思うなら、「サウンドチューニング機能」の力を借りよう。当コーナーではそれを推奨し、その操作方法を説明している。まずは、超基本機能の使い方から紹介している。今回は「トーンコントロール」という機能にスポットを当てる。
さて、「トーンコントロール」とは“音の味付け”を変えられる機能だ。これには操作項目が2つないしは3つあり、それぞれを上げ下げすることでサウンドの雰囲気を変更できる。なお操作項目とは「バス」と「トレブル」、そして3項目ある場合にはそれに「ミドル」が加わる。
では、基本の操作方法と効果を説明していこう。「バス」を上げると低音の量感が増し、下げると低音が痩せていく。一方「トレブル」を上げると高音が際立ち、下げると高音がマイルドになる。そして「ミドル」では、中音のボリューム感を変えられる。
というわけで、気分に応じて、または曲調によって好みのサウンドへと変化させれば良いのだが、実は当機能は「困ったときの応急処置」的な使い方もできる。
そのような使い方はいくつかあるので、1つ1つ紹介していこう。まずは大音量で聴いているときには、高音の刺激が強すぎたり低音がドンドン鳴りすぎたりする。高音と低音は、音量を上げると一層目立って聴こえるからだ。そんなときは「トレブル」と「バス」の両方を少しずつ下げよう。そうすると聴きやすくなる。
逆に小音量で聴いているときには、高音と低音とが特に聴き取りづらくなる。そんなときには「トレブル」と「バス」の両方を少しずつ上げよう。そうすると中音のボリューム感と高音と低音のボリューム感とが揃い、音量は小さいながらもメリハリが付く。
また、大きな音で聴いているとドア内部の鉄板がビビって異音が聞こえてくることがある。これに対処するには本来、ドア内部に「デッドニング」と呼ばれる音響的な加工を施すべきなのだが、応急的な処置として「バス」を少し下げてみよう。そうするとビビリ音が軽減されることがある。なぜなら、ドア内部の鉄板をビビらせる元凶となるのは、スピーカーの裏側から放たれる音エネルギーの中の低音成分だからだ。「バス」を下げるとその元凶を小さくできる。
なお、各ツマミを目一杯上げ下げするのは上手くない。そうするともともとのサウンドと聴こえてくる音が変わりすぎてしまうからだ。控えめに使うのがコツとなる。または、高音を際立たせたいときに「バス」を下げるのもアリだ。このような使い方をした方がむしろ聴きやすくなることもある。ぜひともお試しを。
今回は以上だ。次回からはもう1グレード上の機能の使い方を説明していく。お楽しみに。