低燃費タイヤなのに走りが抜群?! ライズ対応のクムホ『エコウイング ES31』はコスパも実力も想像以上…藤島知子 | CAR CARE PLUS

低燃費タイヤなのに走りが抜群?! ライズ対応のクムホ『エコウイング ES31』はコスパも実力も想像以上…藤島知子

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低燃費タイヤなのに走りもコスパも抜群?! ライズ対応のクムホ『エコウイング ES31』の実力は想像以上…藤島知子
  • 低燃費タイヤなのに走りもコスパも抜群?! ライズ対応のクムホ『エコウイング ES31』の実力は想像以上…藤島知子
  • モータージャーナリスト 藤島 知子氏
  • クムホタイヤ『エコウイング ES31』
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コンパクトSUVで人気車種のトヨタ「ライズ」、実は特殊なタイヤサイズが悩みのタネ

最近人気のコンパクトSUVだが、日本の国内販売で大ヒットを遂げているモデルがトヨタライズ』、ダイハツロッキー』、スバルレックス』の3兄弟車たち。それらのモデルがデビューしたのは2019年の秋だったことを考えると、発売当初に購入したユーザーは4年目を迎える時期に突入する。走行状況によっても異なるが、そろそろ「次に履き替えるタイヤはどうしようか?」と考え始めているのではないだろうか。

この車種でどんなタイヤが履けるのかと探してみると、意外に選択肢が少ないことに気がつく。というのも、純正タイヤは少し特殊なサイズで195/65R16、または195/60R17で展開されているからだ。タイヤの幅は細身ながら、見た目が逞しく見える大径タイヤが装着されている。

そこで今回は、これらの車種にピッタリのサイズが追加されたクムホの低燃費タイヤ「ECOWING ES31」を試す機会を得ることになった。韓国のタイヤメーカーとして知られるクムホタイヤ。アジアンタイヤの一種として一緒くたにされがちだが、タイヤは履いてみないとその違いや実力は分からないというもの。早速、トヨタ ライズのハイブリッドモデルに195/65R16サイズのタイヤを装着して試してみることにした。

ライズ対応サイズのクムホ「エコウイング ES31」が登場!

クムホタイヤが現在日本市場に導入している夏タイヤのシリーズは、ハイグリップなスポーツタイヤの「ECSTA(エクスタ)」、上質な乗り味を提供する「SOLUS(ソルウス)」、プレミアムSUV用タイヤ「CRUGEN(クルーゼン)」、そして環境に優しいスタンダードタイヤとしてラインンアップされているのが今回ご紹介する「ECOWING(エコウィング)」だ。

クムホタイヤの歴史をたどると、1946年のタクシー事業に始まり、その後バス事業に進出したが、1960年代にバス用タイヤの確保が難しくなったのを機にタイヤ事業に参入。1990年代には世界シェアトップ10に成長し、世界各国の名だたるモータースポーツに挑戦するブランドに上りつめた。

2010年以降は採用基準が厳しい日・米・欧州を含めた自動車メーカーの新車装着タイヤとして受け容れられ、近年では欧州のプレミアムカーが装着しているケースも増えている。ただ、これまで私が試乗したことのあるクムホはプレミアム系のタイヤを試すことが多かったので、スタンダードなエコタイヤであるエコウィングがどのようなフィーリングを与えてくれるものなのか、気になっていた。

中でも、ライズは5ナンバーサイズのコンパクトカー。タイヤが構える間隔が狭いわりに重心が高くなりがちなSUVなので、タイヤには走行安定性が問われる。しかも、今回はライズのマイルドハイブリッドモデルに装着して試乗するので、モーターアシストで走りエンジンが主張しないシーンでは、走行時のタイヤノイズが大きければネガになりやすく、快適性を左右してしまうだろう。

低燃費タイヤらしからぬキャラクター、質感の高い走りで車格が上がった印象に

エコウィング ES31のキャッチフレーズは“ワンランク上の低燃費タイヤ”。優れた低燃費性能を実現しながらも、ウエット性能を両立させ、操縦安定性と耐摩耗性に優れたタイヤを目指して開発が行われている。タイヤの外観を見てみると、トレッド面からサイドウォールにかけて少し丸みを帯びた形状で、今回は16インチで65扁平のタイヤとあって、エアボリュームもしっかりと確保されている。

ゴムに触れてみると、指にしっとりと馴染んでグリップが良さそう。転がり抵抗を抑えた低燃費タイヤながら、カラカラと素っ気ない感じがしない様子に期待感は高まった。

いざ、ハンドルを握って横浜から箱根に向けてドライブを開始。ファーストインプレッションは「ホントにエコタイヤなの?」という印象だった。発進時にモーターのみで動きだすと、タイヤの転がりがアクセルペダルの踏み込み具合に応じて、思いのほかしっかりとついてくる。

加速時はわずかな踏み足しに応じてトラクションを得ていける感じがするし、アクセルオフで車速が落ちる過程でも安定性が得られていて、タイヤが結構緻密に路面を捉えて走っていく。荒れた路面を通過するときも、タイヤの表面からゴトゴトした感触を伝えてくるようなこともなく、タイヤを路面に丁寧に沿わせていける印象だ。

何より、標準装着のタイヤと比べて静粛性が高い。標準装着タイヤはある程度のロードノイズを許容しているケースもあるが、ES31ではモーターで走る時に路面側から不快なロードノイズを伝えてくるようなところもなかった。むしろタイヤが静かになったので、これまで気にならなかった車両のメカニカルな音が目立つようになったと感じたほどだった。

続いて、高速道路を走行してみると、安定感のある走りを披露してくれる。本線に合流するのに車速を高めていくシーンでは、タイヤがしっかりと路面を蹴り出しながら、スムーズに狙った車速にのせていけるあたりもいい。橋の継ぎ目で路面のギャップを乗り越えるときも姿勢は乱れにくかった。

箱根でワインディング路を走行してみると、背が高めのSUVのわりにタイヤの倒れ込みが抑えられていて安定した姿勢で走らせていくことができる。低燃費を狙うタイヤにありがちなタイヤの感触の硬さやハネ感、ロードノイズを意識させないどころか乗り味の良さを楽しませてくれるレベルにあることに驚かされた。

純粋に“走りが気持ち良いタイヤ”、ライズオーナーには間違いなくおすすめ!

ライズは、サスペンションを最適に動かすトヨタの設計思想をもとに作り上げたTNGAプラットフォームを採用し、走る、曲がる、止まるといった走りの基本性能に定評があるコンパクトSUVだ。今回のクムホ「エコウィングES31」との相性は想像以上に優れていた印象で、クルマと意思を交わしながら走ることが楽しく思えるほどだった。つまり、操縦性の高さと安定した走り走る気持ち良さを与えてくれるタイヤに仕上がっていたのだ。

クルマもタイヤも理想とする走りをイメージしながら開発されていくものだと思うが、「クムホタイヤの開発陣の中には、優れた勘どころをもつ職人的なメンバーがいるのだろうな」と想像しながらドライブを楽しんだ。それでいて、今回のライズ e-SMART ハイブリッドで思いのままに走った実走行の平均燃費が22.9km/Lだったことを踏まえれば、静かで快適な走り、ドライブする楽しさ、低燃費を期待以上にバランスしていたタイヤだと思う。

ライズオーナーでタイヤの選択を迷っている人には、胸を張っておすすめといえるのでぜひ試してほしい。

低燃費タイヤなのに走りもコスパも抜群!
クムホ『エコウイング ES31』の詳細はこちら

藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに参戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参戦。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得。現在はクルマの楽しさを少しでも多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、ウェブ媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線という両方向からカーライフ全般をサポートしている。

《藤島知子》

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