◆全国からオーナーが集結、唯一の公認クラブ
昨年2022年に続き、今年2023年5月28日、かずさアカデミアホール(千葉県木更津市)にて社団法人Tesla Owners Club Japan(以下、TOCJ)主催の「2023 TOCJ全国ミーティング」が開催された。当日は快晴の空の下、500名を超えるテスラオーナーが全国から参集し、会場は多数のテスラオーナーの熱気があふれていた。
TOCJの設立は2018年。世界中にあるテスラ公認オーナーズクラブの中で、唯一日本でのテスラ公認オーナーズクラブであり、設立以降全国のテスラオーナーをつなぐコミュニティとして活動している。最近では、その会員数も全国で1400名ほどに増えており、一層活動の拡大が期待されていて今回の全国ミーティングもその一環となっている。
テスラはディーラーを持たない自動車メーカーであることから、どうしても日常的な情報を“営業担当者”から得ることが難しいのが実情である。そんななか、テスラオーナーたちの情報交換の場として生まれたのがこのTOCJになる。通常はWebサイト上での情報交換となるが、今回開催された「2023TOCJ全国ミーティング」では実際にオーナーたちと会って情報交換し、親睦を深めることができるのが最大の魅力だ。
イベントは、メイン会場での安川会長のスピーチで幕をあけた。世界でのテスラの動向と日本国内における現状が報告され、続いてテスラ・ジャパン代表の井上緑斉カントリーマネージャーから昨年今年と、増加するテスラオーナーへの感謝の言葉が述べられた。
◆パーツ関連メーカー28社も展示
本イベントには多くのオーナーたちの参加とともにテスラのパーツ関連メーカーも出展。今年は昨年を上回る規模の28社が出展し、充電インフラを提供する企業も数多く出展していたのが目立っていた。テスラ・ジャパンは特別協賛として出展、また地元である木更津市は後援として参加した。
今回、その木更津市がふるさと納税の返礼品として選定したと発表したのが、BEWITH(ビーウィズ)の走行音静粛化プログラム「調音施工」である。ビーウィズの関東営業所と同社グループ企業のフォーカル・オーディオ・ジャパン、同社グループ直営のカーオーディオ専門店「フォーカル プラグ&プレイ本店<木更津アウトレット前>」は、いずれも木更津市内にある。今回の返礼品は“木更津市 フォーカル プラグ&プレイ本店 走行音静粛化プログラム「調音施工」基本プログラム1台分(30万円以上の寄付)”および“木更津市 フォーカル プラグ&プレイ本店 走行音静粛化プログラム「調音施工」基本プログラム+オプションプログラム1台分(40万円以上の寄付)”となっている。
「調音施工」は、自動車走行時の主な騒音源である「ロードノイズ」と「エンジンルームからの透過音」に的を絞って対策することで、愛車の体感的な静けさを高めるもの。EVのテスラはエンジンがないので、タイヤハウスに施工することになり、主に「ロードノイズ」を低減するものだが、ビーウィズ代表の中島敏晴氏によると「調音施工により、ロードノイズが抑えられ、驚くことに乗り心地まで変わったと言われるんです」とのこと。
「とくにモデルYは下からの突き上げが強いのですが、これが調音されることで低減されるんですね。人間というのは五感で感じ取る生き物なので、ノイズが少なくなることで体感まで変わるんです」。店舗ではいつでも試乗させていただけるということなので、興味のある方はぜひ一度試乗してみてはどうだろうか。
今回のふるさと納税返礼品は、店頭で差額を払えば基本プログラム+オプションプログラムへのアップグレードも可能だ。また当日は「TOCJ特別キャンペーン」として最大約27%OFFになっており、参加者の興味を引いていた。
◆ファミリーにはキッズコーナーやイベントも
屋内のメイン会場では出展したさまざまなパーツ関連メーカーのプレゼンや抽選会が催され、また展示ブースではWebショップでしか見られない数々のテスラ純正グッズの展示やTOCJのノベルティグッズの販売も行われ活況を呈していた。なにより今年は充電器設置の充電インフラ企業が多かったのが特徴的だった。また、ファミリーでの参加者も多く見られ、サブ会場ではキッズコーナーが設置され、世界的にも著名な前田知洋氏による親子マジックレッスンも行われ、大いに盛り上がった。
展示は屋外の会場でも行われ、ここでは入口に最新型のテスラ「モデルS Plaid(プラッド)」と「モデルX」が展示され、華を添えていた。そこにはラッピングされたテスラやその他のメーカーのEVも展示されており、各所で賑わいを見せていた。
◆ドレスアップはテスラ用アルミホイールで
テスラは空力性能も最適化されており、スポイラーなどでドレスアップするとむしろ電費が下がるおそれがあり、ドレスアップはラッピングなどでボディを彩る程度だ。しかし、最も簡単にドレスアップできるのが、足元を美しく飾るアルミホイール。今回ホイールを展示していたのはレイズとMIDの2社だった。
レイズは、テスラModel3用、MIDはモデル3・モデルY用のアルミホイールを展示していた。レイズのアルミホイールは、鍛造ホイールとなっており、軽量性と高い剛性を兼ね備えている。加えて、同社の高い鍛造技術により自由なデザインが難しいと言われる鍛造ホイールにもかかわらず美しい造形のホイールとなっている。一方、マルカサービスのアルミホイールは、モデルYにも対応し、空力を意識した電費にも有利な整流効果を生むと言われるリム外周フェアリングを採用。鋳造ならではのデザイン性の高さ、純正の19インチに装着してもサイズアップしたように見える視覚効果も得られるものだ。
◆いよいよCHAdeMOアダプターが!?
屋外イベント会場では、先ほど登壇したテスラ・ジャパン代表の井上緑斉カントリーマネージャーがいらしたので、今回のTOCJについて話を聞くと次のように語ってくれた。
「ここ数年、モデルYの販売もあり、オーナーの方が増えています。テスラとしてもオーナーはもとよりテスラに関心をもっている方々とより多くのコミュニケーションを取りたいと思っています。最近は国内のスーパーチャージャーの場所も増えていますし、テスラストアも増やしています。これもいままで以上にコミュニケーションをとるためなんです。我々としてはテスラのみならずもっと多くのEVが普及してほしいと思っていますが、これは我々だけではできません。EVメーカーみんなで協力してEVを増やしていけるといいですね」
現状50kWの速度にしか対応していないCHAdeMOアダプターについて伺うと「CHAdeMOアダプターの件については、我々も問題として認識しています。最近増加している最新型の急速充電器のダイナミックコントロールや大出力の急速充電器への対応もしていきたいのですが、現時点で決定していることはなにもありません。しかし問題点を認識していると言うことは確かです」と語った。筆者の印象では、なかなか言いにくそうではあったが、テスラが日本市場におけるインフラ整備やサービスの拡大に取り組んで準備していると感じた。近々なにかしら対応するのではなかろうか。
今回の「2023TOCJ全国ミーティング」では、多くのテスラオーナーが集結して、さまざまなコミュニケーションをとることができた。ディーラーがないことが欠点のように言われることも多いテスラだが、その分こうしてオーナー同士が親睦を深めることができるのが特長とも言えるだろう。一度会えば、普段はツイッターやWebサイトでの交流でも十分仲良く付き合っていける。また今回ツイッターでしか交流していなかったオーナー同士もリアルに会うこともできた。そうツイッターのCEOはテスラのCEOでもあるイーロン・マスク氏なのだ。むしろ彼が提供してくれるプラットフォーム両者が生活を豊かにしてくれることも実感した1日だった。