忽然と姿を現した背高ワゴンの衝撃、初代スズキ『ワゴンR』の革新性とは【懐かしのカーカタログ】 | CAR CARE PLUS

忽然と姿を現した背高ワゴンの衝撃、初代スズキ『ワゴンR』の革新性とは【懐かしのカーカタログ】

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スズキ ワゴンR(初代)のカタログ
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スズキから初代『ワゴンR』が登場したのは今から30年前の1993年。今でこそ全高1800mm級のスーパーハイト系のミニバンタイプは一般的だが、忽然と姿を現した当時のワゴンRの1640~1695mmのヒョロッとした全高は当時としてはユニークだった。

ベースとなった当時の『セルボモード』の全高は1370~1410mm、『アルト』は1385~1410mm、それらのいわゆるセダンタイプのクルマよりもざっと20cm以上、背が高かったことになる。ホイールベースは当時の軽自動車で最長を誇ったセルボ、アルトらと同じ2335mmだ。

登場時のカタログで使われたキャッチフレーズは“クルマより楽しいクルマ”。ジャンルやクラスを問わない新種のクルマとしてアピールした。

当然ながら背の高さを活かしたパッケージングは独特で、二重のフロア構造とし、乗員をアップライトに座らせるレイアウト。前席座面の高さは625mm(4WDは630mm)とし、乗り降りのしやすさが魅力だった。当時の広報資料には“前後席ともシートバックを立てた設計”とあり、縦方向のサイズを有効活用した室内空間だった。

助手席クッション部をハネ上げて使える容量16リットルのシートアンダーボックス(通称:バケツ)は、この初代ワゴンR以降のスズキの軽自動車でしばしば採用された実用アイテムのひとつ。後席はスライド機構こそ持たなかったが、シートバックを前に倒すとクッション部が同時に沈み込む、ワンタッチ操作式の折り畳み機構を採用した。

いかにも道具感に溢れたシンプルでセンスのいいワゴンRの外観スタイルは、幅広いユーザーに受け入れられた。当初は1+2ドアと呼ばれた、左側のみ2ドアの左右非対称だったが、1996年4月に5ドアが登場、追ってカタログモデルに設定された。

前後するがターボ車は、まず1995年2月にSOHC・6バルブインタークーラー付きのF6A型(61ps/9.2kg-m)が登場、同年10月にタービンの変更などで64ps10.0kg-mに。さらに1997年4月にはオールアルミの3気筒DOHC(58psスライド6.1kg-m)K6A型をインタークーラーターボ化し64ps/10.5kg-mに。このユニットは当時のRS(2WDと4WD)に搭載された。

また派生モデルとして全幅を180mm拡幅した普通自動車の「ワゴンRワイド」が登場、このモデルはワゴンRプラス→ワゴンRソリオ→ソリオと発展していく。

《島崎七生人》

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