ツールプラネット、“EV・HV・特定整備”に全面対応するスキャンツール「TPM-TAB」…IAAE 2023 | CAR CARE PLUS

ツールプラネット、“EV・HV・特定整備”に全面対応するスキャンツール「TPM-TAB」…IAAE 2023

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ツールプラネット TPM-TAB(IAAE 2023)
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整備業界において故障診断ツール(スキャンツール)の性能指標のひとつが、対応車種のカバレッジと電動車(EV・HV)への対応だ。ツールプラネットの製品は対応車種および診断項目の豊富さに定評があり、同社の「TPMシリーズ」は国産EVや電子車検証対応など最新の市場動向にいち早く追従してきた。

そんなツールプラネットが「国際オートアフターマーケットEXPO2023(IAAE 2023)」で展示する最新スキャンツール「TPM-TAB」は、「NANO-BT」「iSCAN e」を統合的に管理するタブレット型のスキャンツールだ。

NANO-BTは国産乗用車:8メーカー、商用トラック:4メーカー、輸入車:11メーカー、iSCAN eは欧州やアジアなどの輸入車:54メーカーに対応する。診断する車輌に合わせて上述した2つの端末を使い分けてOBDに接続し、TPM-TABと端末間で通信することで、画面上で操作および管理を一元化することができる。

つまりTPM-TABがあれば国産車と輸入車を区別することなく、故障診断やエーミングと整備証明書の発行などが可能ということだ。さらに2つのツールの操作を単にまとめただけでなく、新しい機能も追加されたので順番に紹介する。

バッテリー状態のチェックで、電動車の適正な車輌コンディションを判断

最大の特徴は、EV・HVの診断ソフトウェアを追加したこと。EVやHVはバッテリーやモーターなど従来の診断ソフトウェアでは対応できないことも多く、車種ごとに正規ディーラーに持ち込まざるを得ないのが現状だ。TPM-TABでは主要な国産EVOBD診断によって、バッテリーのSOC、SOH、健康状態、劣化の具合がわかる。車種ごとの基準値との比較をグラフ化することもできるので、バッテリーの状態が一目瞭然だ。

このような情報は車両整備にも重要だが、中古車の査定にも欠かせない。これまでは、適正なツールや診断方法が一般の整備工場や中古車ディーラーに浸透していなかったので、正しい車両の価値・価格の判断が難しかった。メーカー非公式のバッテリー診断アプリは存在するが、流通している多くのEV・HVの情報が正確ではなく、基準値との比較が簡単にできることは大きい。

また、車検整備に対応するツールによって詳細データを診断できることで、適正な査定や価格取引が期待できる。正確な価格や残価がわかればEV・HVの中古車取引はさらに活発になるはずだ。

電子車検証の読取りやエーミング作業支援で特定整備も可能

TPM-TABはタブレットをコントローラーおよび表示端末として利用する。タブレットのカメラで車検証のQRコードを読み取ることで、面倒な車種情報登録が即時に登録されるのはとても利便性が高い。もちろん従来のようにメニュー画面から車種などを選択し、車検証をみながら情報を手入力することも可能。

さらに電子車検証のICチップにも対応するといい、オプションの読取部を取付けることでICチップから直接情報を読み取ることもできる。QRコードやICチップ対応は入力の手間が省略できるだけでなく、登録ミスや事故を大幅に減らすことにも役立つはずだ。

加えて、エーミングをサポートする機能も強化された。カメラやセンサー類のエーミング、キャリブレーションに必要な情報、数値、ターゲットの距離などのデータをまとめた指南書を端末内にデータベースで内蔵しており、画面に1ページでまとめて一覧表示をさせることができる。必要であればプリントアウトすることも可能で、車種ごとの整備マニュアルいちいち見なくても手元のTPM-TABから必要な情報が手に入る。また、実際のエーミング作業や測定手順を支援する機能もあり、結果の作業証明書を発行することもできる。

もうひとつ面白い機能は、Google検索との連動だ。エラーコードやトラブル情報をインターネット上で検索し、その情報をツールに取り込むことができる。検索をPCやスマートフォンで別に行わなくても、TPM-TABを操作するだけで公開情報にアクセスできる。検索履歴を残しておけば2回目以降はすぐに情報が確認できるのも便利。

加えて、営業支援にも役立つ機能も盛り込まれている。タイヤ、オイル、バッテリーなどの交換作業をメンテナンスモードの情報として集約。車検や定期点検時に必要な交換・メンテナンス作業の提案に役立つ。またトラックなどの大型車の整備では、DPFのメンテナンスはとても重要だ。DPF作業は故障コードやデータリセット、強制再生などひとつひとつを選択して実行する必要があるため、ここに改良を加え項目ごとの連携を可能にすることで簡素化を実現した。

2024年10月に迫った「OBD検査(OBD車検)」も順次対応

TPM-TABは、NANO-BT本体、iSCAN e本体、操作コンソールとしてのタブレット端末の3点で構成される。その他にもタブレットカバー、タブレットスタンド、OBD-IIとD-subコネクターのついたケーブル、PC接続用USBケーブルといったアクセサリも充実している。

ソフトウェアや車両整備データは定期的にアップデートされており、今後はますます整備が必要なEVも増えていくだろう。見逃してしまいがちであるが、アップデートサービスの有無はスキャンツールを選ぶときのポイントでもある。TPM-TABの購入後は、1年間無料でアップデートサービスを受けられる。加えてTPM-TABは2024年10月より開始される「OBD検査」、いわゆるOBD車検にも適時対応するとしている。

自動車の高度な自動運転機能の発達により、この先の自動車整備には必須となるスキャンツール。補助金制度をうまく活用することができれば、導入のハードルを大幅に減らすことも可能だ。いち早く取り入れることで、作業効率の向上とエーミング対応に役立つこと間違いなしの「TPM-TAB」に注目だ。

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“EV・HV・特定整備”に全面対応するスキャンツール、ツールプラネット「TPM-TAB」に注目…IAAE 2023

《中尾真二》

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