買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車は1月25日、「2023年旧車価格相場の見通し」を発表。価格高騰が続く旧車バブルは崩壊を迎えると予測した。
旧車はここ数年で価格が高騰。新車の2倍、3倍といったプレミア価格がついている個体も見受けられる。その原因として挙げられるのが、富裕層のコロナ禍におけるお金の使い道の変化。旅行などに行けなくなったことで、骨董品や美術品、時計、車の購入に充てる富裕層が増えたことで、希少性のある旧車の価値も向上。また、新車供給の滞りと、電動化に向けてガソリン車(特にマニュアル車)の駆け込み需要も旧車価格高騰の要因と考えられる。
しかし新車供給がやや回復してきたことから、現在は中古車も高年式モデルから市場相場が低下。旧車の価格も停滞気味だ。米国の中古車価格の指標であるマンハイム指数も大きく変動。2022年1月の257.5から12月には219.3に、14.9%も下落した。米国の中古車販売大手「カーバナ(Carvana)」の株価も大幅に下落。一時期370ドルにまで上がった株価は、2022年12月に3.95ドルにまで落ち込み、市場そのものが下降傾向にあることを物語っている。
その影響は日本国内でも現れ始め、高年式車から価格の下落が始まっている。例えば、高級車として人気の高いメルセデスベンツ『Cクラス(C220dアバンギャルドAMGライン)』のオートオークション価格は約1か月前と比較して17%下落。世界的に多くのファンを持つトヨタ『ランドクルーザー300(ZX)』ですら4.75%下落している。現時点では高年式車両が中心だが、その波は旧車にも徐々に押し寄せている。今は驚くほど価格が高騰しているモデルでも、一気に値下がりとなる可能性は否定できない。2023年は中古車市場の相場が大きく変わり、価格高騰が続く旧車も今後大きく変動していくことが予想される。