ACEA(欧州自動車工業会)は1月18日、2022年の欧州全域(EU+EFTA+英国の全30か国)の新車販売結果を発表した。総販売台数は1128万6939台。前年比は4.1%減と、3年連続で前年実績を下回った。2022年前半の半導体不足が生産に影響したため、としている。
◆アウディが3年ぶりのプラス
5大主要国では、ドイツが265万1357台を販売し、前年比は1.1%増と3年ぶりに増加した。フランスは前年比7.8%減の152万9035台と、2年ぶりに減少した。イタリアも、前年比9.7%減の131万6702台と、2年ぶりのマイナスだ。
英国は161万4063台にとどまり、前年比は2%減と、2年ぶりの前年割れとなった。スペインも5.4%減の81万3396台と、2年ぶりに前年実績を下回る。
主要8社の販売実績は、首位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年比5.7%減の278万9828台と、3年連続で減少した。このうち、VWブランドが6.9%減の119万7455台と、3年連続のマイナス。アウディブランドは、2.9%増の61万4545台と、3年ぶりに増加した。
◆DSやアルファロメオ、アルピーヌが増加
2位はステランティスで、2022年実績は205万2543台。前年比は13.7%減と2年連続で減少した。その内訳は、プジョーが14.5%減の61万9173台と、4年連続のマイナス。シトロエンは15.7%減の37万5578台と、3年連続で減少した。DSは17.1%増の4万9999台と、3年ぶりのプラスだった。
また、フィアットブランドは、前年比16.6%減の39万5378台と、5年連続で減少した。アルファロメオは23.7%増の3万2737台と、5年ぶりのプラス。ランチア(クライスラーを含む)は、6.1%減の4万1096台と、2年ぶりのマイナスだ。ジープブランドは、19.9%減の10万3174台と、2年ぶりに前年実績を割り込んだ。オペルは12%減の42万8145台だった。
3位はルノーグループで、その販売台数は106万1560台。前年比は2.9%減と3年連続の前年割れだ。低価格のダチアブランドは、15.8%増の47万5511台と、2年ぶりのプラス。主力のルノーブランドは、14.1%減の58万2766台と、5年連続で前年実績を下回った。アルピーヌブランドは3283台を売り上げ、前年比は34.6%増と2年連続で増加した。
◆ヒョンデグループは2年連続の前年超え
4位は、ヒョンデグループ(キアを含む)。2022年は、106万0989台を販売し、前年比は4.2%増と2年連続で前年実績を上回る。ブランド別の販売台数は、ヒョンデが0.5%増の51万8566台、キアが7.9%増の54万2423台と、ともに2年連続で増加した。
5位はBMWグループ(MINIを含む)。2022年は81万7993台を販売した。前年比は4.8%減と、2年ぶりに前年実績を下回った。BMWブランドは5.4%減の64万6538台で、2年ぶりに減少した。MINIブランドも2.5%減の17万1455台と、2年ぶりに前年実績を下回った。
6位はトヨタグループ(レクサスを含む)。その販売台数は80万5952台で、前年比は6%増と、2年連続で増加した。トヨタブランドは7.6%増の76万6769台と、2年連続のプラス。レクサスブランドは17.6%減の3万9183台と、2年ぶりに前年実績を下回っている。
◆トヨタ以外の日本メーカーは総じてマイナス
7位は、メルセデスベンツ。その販売台数は65万5962台で、前年比は3.5%減と、3年連続の前年割れ。ブランド別では、メルセデスベンツが1.5%減の63万4697台と、3年連続で減少した。スマートは、39.9%減の2万1265台と後退した。
8位はフォードモーター。2022年は51万6614台を販売した。前年比は0.3%減と、6年連続で減少した。
この他の日本メーカーでは、日産が23万8017台にとどまり、前年比は4.7%減と減少傾向にある。マツダは14万0108台で、前年比は9.9%減と2年ぶりのマイナス。ホンダは6万7144台にとどまり、前年比は1.8%減と引き続き減少した。三菱は5万6918台を販売し、前年比は22.4%減と3年連続で減少している。