JVCケンウッドは、岡山県で交通、物流、観光事業などを展開する両備グループと地域密着型のタクシー配車アプリ「TAXI.come(タクシードットカム)」を共同開発。11月24日より本アプリを利用したサービスが始まった。
岡山県では65歳以上の割合が全国平均を上回る30.7%(2020年時点)と高齢化が進んでいる。また、岡山市では駅から800m、バス停から300m以上離れている「交通不便地域」に約20万人が居住し、そのうち65歳以上が約5万人。交通不便地域における高齢者の移動手段確保が課題となっている。
両備グループでタクシー事業を担う両備タクシーユニットでは、配車アプリとしてこれまで「JapanTaxi」を活用していた。しかし、高齢化による交通弱者の増加と交通インフラの撤退・縮小が進む地方の特性を鑑み、首都圏を中心とした既存の都市型アプリではなく、地域の生活に合わせてカスタマイズできる地域密着型の独自アプリ開発を決定した。
配車アプリ「TAXI.come」は、JVCケンウッドと両備グループの両備タクシーユニット、両備システムズの3社が共同開発。他の配車アプリ同様、地図などから迎車先を指定するだけで配車手続きが完了。迎車先、行き先までの所要時間も表示され、タクシー到着時はプッシュ通知で知らせてくれる。3社はこうした基本機能に加え、地域密着型の利便性の高い配車アプリとしてブラッシュアップを進めている。高齢者が抵抗感なく使用しやすい表示画面モード、相乗りや事前確定運賃などの便利な新サービスを開発。さらに買物や掃除代行等のサービス注文ができるなど、複合的なアプリ機能の充実を図っていく予定だ。