ACEA(欧州自動車工業会)は10月18日、2022年1~9月の欧州全域(EU+EFTA+UK全30か国)の新車(乗用車)販売結果を発表した。総販売台数は827万1115台。前年同期比は9.7%減と2年ぶりに前年実績を下回った。
◆ポルシェは17%増と2年連続で増加
5大主要国では、ドイツが前年同期比7.4%減の186万7885台にとどまった。フランスは、前年同期比11.8%減の111万2067台と2年ぶりのマイナス。英国は120万8368台を売り上げ、前年同期比は8.2%減とマイナスに転じた。イタリアは、16.3%減の97万6055台と後退。スペインは、7.4%減の60万0281台と2年ぶりの前年割れだ。
主要8社の販売実績は、首位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同期比14.7%減の203万0321台と、2年ぶりのマイナス。1~9月の市場シェアは24.5%と、前年同期に対して1.5%減らした。主力のVWブランドは16.9%減の86万2342台、アウディブランドは8.4%減の44万0626台と、ともに後退した。ポルシェは17.1%増の6万0524台と、2年連続で前年実績を上回った。
◆韓国のヒョンデグループがルノーを抜いて3位に
2位は、PSAグループとFCAの合併で誕生したステランティス。1~9月実績は、前年同期比16.3%減の155万9467台とマイナスに転じた。市場シェアは18.9%と、前年同期に対して1.4%減少した。各ブランドの内訳は、プジョーが15.1%減の47万4302台、シトロエンは17.2%減の29万0674台と、そろって後退する。DSは15.0%増の3万6020台と好調だ。また、アルファロメオは10.6%増の2万1466台と、回復を果たした。フィアットブランドは21.1%減の29万8907台、ジープブランドは27.5%減の7万4592台と、ともにマイナスに転じた。
3位はヒョンデグループで、前年の4位から上昇した。1~9月は、ヒョンデとキアの両ブランドで、前年同期比6.6%増の82万1531台を販売している。
4位はルノーグループ(ダチアを含む)で、前年の3位から後退した。その販売台数は76万6586台で、前年同期比は5.1%減と減少傾向にある。低価格のダチアブランドは、16.7%増の34万8820台と2年連続で増加。アルピーヌブランドは51.1%増の2285台と引き続き伸びた。一方、主力のルノーブランドは、17.9%減の41万5481台に引き続き減少した。
◆トヨタの市場シェアは0.6%伸びて7.2%に
5位はトヨタグループで、前年の6位から上昇した。1~9月実績は、前年同期比0.9%減の59万5234台と、2年ぶりのマイナスだ。市場シェアは、前年同期に対して0.6%伸びて、7.2%とした。トヨタブランドが1.0%増の56万8016台と2年連続で増加。レクサスブランドは28.5%減の2万7218台と、2年ぶりに前年実績を下回った。
6位はBMWグループ(MINIを含む)で、前年の5位から後退した。1~9月は58万9566台を売り上げ、前年同期比は10.9%減とマイナスに転じた。1~9月の市場シェアは7.1%と、前年同期に対して0.1%減少した。BMWブランドは、前年同期比12.3%減の46万7614台とマイナスに転じた。MINIブランドも4.9%減の12万1952台と、2年ぶりのマイナスだった。
7位はメルセデスベンツ(スマートを含む)。その販売台数は47万8080台。前年同期比は5.8%減と減少傾向にある。ブランド別では、メルセデスベンツが4.1%減の46万3337台にとどまった。スマートも1万4743台にとどまり、前年同期比は39.1%減と、2年ぶりに前年実績を下回った。
8位のフォードモーターは、38万2171台を販売した。前年同期比は8.8%減と、2年連続で前年実績を下回っている。
その他の日本メーカーでは、マツダが前年同期比19.4%減の10万0284台と後退した。日産も前年同期比10.3%減の17万2428台、三菱は25.8%減の4万1323台、ホンダも1.9%減の5万2654台と減少している。