EV化は2024年に競争激化、2035年に過半数…アリックスパートナーズ見通し | CAR CARE PLUS

EV化は2024年に競争激化、2035年に過半数…アリックスパートナーズ見通し

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アリックスパートナーズが発表したEV化の動向・将来見通しによると、2024年までに主要自動車メーカーが全タイプのEVを市場投入し、競争が激しくなる。そして2035年までに世界の主要販売地域の全てでBEVが過半数を占めるという。

●EV市場はアーリーアダプターステージ

グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズは7月1日、世界の自動車産業界の展望についてまとめた調査レポート「2022年版グローバル自動車業界アウトルック」を発表した。

レポートによると世界のEV=BEV(フル電池式電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)との合計販売台数は2021年に大幅増加し、市場シェアも8.3%まで上昇した。特に中国の販売台数は前年比154%増加した。

ただしEV市場はまだアーリーアダプターステージにあり、今後のEV成長期における商品差異化ポイントは、time-to-marketよりもコスト競争力だという。

●2035年までにBEVが過半数

2024年までに主要自動車メーカーが全タイプのEV車種を投入し、BEV市場の競争は激しくなると想定。そして2035年までに世界の全ての主要販売地域でBEVが過半数を占めると予測している。乗用車と小型商用車の販売台数ベースで、北米59%、中国56%、欧州83%のシェアとなるだろう。

日本のトレンドは世界とやや異なり、2030年中頃の内燃機関規制に向け、総保有コスト・環境性能に優れるHEV(ハイブリッド車)が主流となる。そのいっぽうで、長期的に価格・航続距離面で訴求力ある車種拡充で、EVもシェアを拡大していく。

日系自動車メーカーはこれまでHEVに注力してきており、BEV/PHEVシェアはそれぞれ1%を下回る(2021年)。2035年のシェア予想は、前出の世界市場の数字と集計方法が異なり、普通乗用車の新車販売台数ベースで、BEVが34%、PHEVが3%とされる。 

EVが普及する反面、内燃機関エンジンの生産量は転換点に近づきつつあるという。2024から生産量の減少が加速する。そして28年にかけて北米で12%、欧州で33%減少すると想定される。

●業界構造にも変化

アリックスパートナーズは、EV化に向けて企業の提携や投資も盛んになると予想する。2021年のOEM間での「CASE」分野の提携は前年比で25%増加し、そのうちEV関連の提携は前年比40%増加した。OEMとサプライヤーのEV関連投資は2026年までに5000億ドルに達すると見込む。

アリックスパートナーズは、EV化の障害もいくつか指摘している。ひとつがプラットフォーム当たりの生産台数。BEVのプラットフォーム当たりの平均生産量は、2030年時点でも内燃機関車のプラットフォームには届かないことが予測され、使用資本利益率に下方影響を与えると考えられる。共通設計化が進んだ従来車種と比べ、BEVでは開発コストあたりの販売台数が少ないのだ。

またバッテリーの価格も影響が大きいという。原材料価格の高騰及び不足により、継続的なバッテリーコスト低減は難しく、2023年までは足元の価格が継続するとアリックスパートナーズは予測する。EVの商品差異化ポイントはコスト競争力にあり、これらの課題をどう解決するか。

アリックスパートナーズは業界構造も変わるという。自動車メーカーによるパワートレインの内製化が進んでおり、金額ベースでBEVパワートレインにおけるサプライヤー製造割合は28%程度に留まる。呼応して、電動化への移行を積極的に推進するサプライヤーの約50%が、将来的にICE関連事業の売却もしくは再編を計画しているという(2022年の調査)。


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《高木啓》

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