60年代の終わりから70年代にかけて、国産ハードトップが相次いで登場。何とその流れは軽自動車にまで波及していた。そんな個性派5車を振り返ってみたい。◆ギャラン・ハードトップ(1970年)欧州車調だったそれまでの『コルト』の発展型としてセダンの『コルト・ギャラン』が1969年に登場。その翌年に登場したのが『ギャラン・ハードトップ』だった。70年代の幕開けに相応しい新世代を思わすスマートなスタイル、SUツインキャブの1.5リットル(105ps/13.4kgm)搭載の“グランドスポーツ”は、最高速度180km/h、0-400mが16.9秒とカタログに謳われている。1.5リットルには95ps/13.2kgm仕様もあり、こちらには3速AT車と、0-400mが17.9秒という4速フロアシフトを設定。◆ルーチェ・ロータリークーペ(1969年)車名は“クーペ”だったが、Bピラーだけでなく三角窓も取り払ったスッキリと伸びやかなスタイリングが特徴だった。セダンと同名を名乗るもスタイリングは専用で、ホイールベースはセダン+80mmの2580mm、しかもマツダ車初のFF(前輪駆動)だった点も見逃せない。ロータリーエンジン専用車で、搭載するのは655cc×2ローターの13A型。◆スバル・レオーネ(1973年)『レガシィ』の前身でもあった『レオーネ』は、名車スバル『1000(ff-1)』の後継モデルとして登場。71年にクーペ、72年にセダン、エステートバンを登場させた後、ハードトップは73年に登場。写真は1.6リットル水平対向4気筒を搭載した、アメリカンテイストのGrand Am(グランダム)。5マイルバンパーを装着する。◆ダイハツ・フェローMAX(1971年)『フェロー』はダイハツの軽自動車初の乗用車で、『フェローMAX』はその2代目として70年に登場。FF(初代は何とFR!)を採用、4ドアを設定するなどして、車名どおり最大限の実用性を追求した。さらに71年には、軽自動車初のハードトップを加えた。当時小型車で流行だったレザートップも設定した。◆ホンダZ(1972年)当時のホンダの軽乗用車だった『NIII360』をベースに登場した2ドアのスペシャルティカー。特徴的なリヤウインドゥ(バックドア)は“水中めがね”として有名だ。『Z』自体の登場は70年だったが、その後のベース車の変更(『ライフ』へ)に伴い全長が伸びるなどの変更を受け、この時にそれまでのクーペからBピラーを取り去ったハードトップが登場した。