あきらめたレンタカー事業をカーシェア「Patto」でリベンジ!「非対面ゆえ社員への負担が少ない、これがポイント」 …センチュリーオート 石井英幸代表[インタビュー] | CAR CARE PLUS

あきらめたレンタカー事業をカーシェア「Patto」でリベンジ!「非対面ゆえ社員への負担が少ない、これがポイント」 …センチュリーオート 石井英幸代表[インタビュー]

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センチュリーオートは、カーシェアサービス「Patto(パット)」とのフランチャイズ契約を締結。東松戸にPattoカーシェア・ステーションを設置。
  • センチュリーオートは、カーシェアサービス「Patto(パット)」とのフランチャイズ契約を締結。東松戸にPattoカーシェア・ステーションを設置。
  • コロナ禍をキッカケに都心部を中心に「カーシェア」利用が拡大している。
  • 都内23区への通勤利用率が高い「東松戸駅」東口に「Patto」のステーションが設置された。
  • カーシェア車両は、地元の自動車整備鈑金プロショップ「センチュリーオート」が所有。
  • カーシェアPatto車両は、運転席サンバイザーポケットに「給油カード(出光限定)」が用意。
  • Pattoの利用料金表。
  • Pattoのエリア&期間限定特典キャンペーン情報。
コインパーキングとのシナジーでカーシェアサービスを全国展開する大手企業は皆さん御存知の通り。しかし、地域に密着した自動車修理/整備工場とのシナジーでカーシェアサービスを開始する事例は聞いたことがない。早速、東松戸駅近くの自動車整備鈑金プロショップ「有限会社センチュリーオート」を訪問し、石井英幸代表にインタビュー取材を行った。

感染予防対策意識が高く、不安と手間が少ない“非接触”サービスが求められている今日。コロナ禍をキッカケに都心部を中心に「カーシェア」利用が拡大し続けている。

◆「東松戸駅」東口に“レンタカー型カーシェア”がスタート

東京都心から20km圏内で、3路線(北総線、成田空港線、武蔵野線)を利用できる千葉県松戸市の「東松戸駅」。首都圏に住んでいてもピンとこない人が多いかもしれないが、都心の日本橋駅まで36分、成田空港駅まで34分、羽田空港駅まで60分、そして東京ディスニーランド前の舞浜駅まで21分、これらにすべて直通電車で行けるという好立地がセンチュリーオートの地元だ。

同社はこの東松戸駅の東口から徒歩1分もかからない場所にカーシェアサービス「Patto(パット)」のステーションを設置した。車両は日産『ノート』と『セレナ』。汚れが目立たないシルバー系ではなくダークブラウン。内装やシートのクッションもヤレがない、新車ではないがビシッとした車両だ。東京都心から20km圏内で、3路線(北総線、成田空港線、武蔵野線)を利用でき、都内23区への通勤利用率が非常に高い松戸市の「東松戸駅」東口から徒歩1分の場所で、新しいタイプのカーシェアサービス「Patto(パット)」のステーションが設置された。

◆センチュリーオート起業のきっかけ

地元で起業して32年というセンチュリーオートの石井英幸代表に、どこよりも早く独自のカーシェアを開始する動機や戦略を聞いてゆこう。東松戸駅東口から徒歩1分の場所にあるカーシェア(Patto)車両は、地元松戸市で創業32年の実績がある自動車整備鈑金プロショップ「有限会社センチュリーオート(千葉県松戸市紙敷510番地)」が所有。

---:石井さん、まず御社のこれまでの沿革を教えていただけますか。

---:石井英幸代表(以下、石井) 幼い頃からクルマが好きだったので、高校卒業後に自動車整備学校で専門知識を学び、20歳のときに千葉市内のディーラーに就職しました。整備士として7年、営業マンとして1年半ほどの実務経験を積み重ねる中で、「ピットの整備士とお客様と接するフロントの意思疎通をもっとスムーズにすれば、お客様の満足と、整備士の誇りが両立するはずだ」、「大企業のなかで業務改革をできる年齢まではとても待ちきれない」と気持ちが高まり、生まれ育った松戸市内で独立起業しました。28歳のときです。

---:構想から行動への時間が短いですね。当時はどのような社会状況だったのでしょうか。

---:私が起業した1989年(平成元年)はバブル景気のピークで、トヨタから『MR2』『セルシオ』『ランドクルーザー』が、マツダはユーノス『ロードスター』、日産は『フェアレディZ(Z32)』が発売された時期です。当時の僕ら若者世代にとってはカッコいいクルマについて語り合うこと、購入することが働く動機でありステイタスでした。

---:なるほど。自動車販売がどんどん伸び、日本車がもっとも輝いていた時期ですね。

---:その後、バブル経済の崩壊もありましたが、もともとこの地域はマイカーがなくては生活しにくい住環境です。お陰様で地元松戸の皆様を中心に当社をご利用頂き、今年1月で創業32年目を迎えることができました。現在は85名のスタッフが在籍しています。新型車から旧車まで国産・輸入車を問わず、あらゆるお車の購入からアフターサポートまでしっかりご対応できるように体制を整えています。

◆盛況のレンタカー事業より、スタッフを守ることを選択

---:地元密着でクルマに関連する事業を拡大展開されているなかレンタカー事業にもチャレンジしていますね。

---:石井 はい。東松戸駅に成田空港線が開業となる2010年に、レンタカー需要を見込んで東松戸駅東口からほど近い場所に別店舗を設け「格安レンタカー事業」を開始しました。

当社はレンタカー車両の整備や鈑金塗装をすべて自社内で行えるため、有利に運営できるのではないかと考えたのです。実際にサービスを開始したところ松戸市を中心に、とても多くのユーザー様にご利用頂けたのですが、稼働率が高すぎたことで人件費がかさみ、いつしか採算が合わなくなっていきました。

---:いわゆる「嬉しい悲鳴」という状況かと思いますが……。

---:そうなのですが、利用者が増えすぎると運営側の負荷が高まり、自社サービス全体に悪影響が出てきました。レンタカー業務は朝の9時から夜の8時までを営業時間としていたのですが、準備のために8時過ぎに出社し、夜は返却遅れの客を待っていると10時にもなってしまいます。貸出しのクルマの準備をしていると電話で予約を取ることができませんので最低でも2~3名の配置が必要でした。

当社が起業した1989年時点で、松戸市の総人口は45万3180人だったのですが、毎年増え続け2021年1月末時点では49万8376人と発表されています。この32年間で4万5000人以上が松戸市に移り住み、日本全体の少子化人口減と言われる中でも今後も増え続ける地域です。

とくに東松戸駅は、成田空港線と都営浅草線が直通運転を始めた影響で、マンションが次々に建ち、クルマを所有しない若いカップルやファミリーが多く暮らし始めました。

今後さらに大型マンションが建設されればよりレンタカー・ニーズがさらに拡大するのはわかっていましたが、さらに投入が強いられる人的コストのことを考えると、スタッフを疲弊させてまで得られる収益が割に合わないと判断し、レンタカー事業からの撤退を決めました。

◆間口が広い「独自カーシェア」をデザインできる

---:近年、東松戸駅付近にはコインパーキングも存在し、そこでカーシェアもはじまっていますね。その状況をどう捉えられたのでしょうか?

---:我々がレンタカー事業から撤退したあとしばらくしてカーシェアがはじまりました。駅に近いマンションに住む10代から40代ぐらいの方々は、クルマを所有せず必要なときにレンタカーやカーシェアでクルマを利用できれば良いという志向が「当たり前」になってきたという変化を感じます。

地域の人々の変化、地域でクルマに乗る人を観察していると、人を介さず、スマホだけでクルマを借りられるカーシェアは、若年層の間で着実に拡大していくだろうと予想できます。コロナ禍も後押ししカーシェアはこの地域のカーライフの要素になるでしょう。

ところが、何万台の車両で全国展開する大手と同等のカーシェア専用システムやアプリ開発、コールセンターの運営などを、当社の規模で開発運用することは不可能です。悔しい思いをしているときにカーシェアサービス『Patto』フランチャイズプランの存在を知り、カーシェアアプリとシステムを借りることができること、さらに車両のセキュリティに対する改造が必要ない『バーチャルキー』のスマートロックシステムが運用する側として画期的だと思いました。

さらにもうひとつ、『Patto』に大きな魅力と可能性を感じたのは、カーシェア車両のバリエーションが豊富な点と自由な価格設定です。これによってアプリやシステムは共通であっても、地域にあった独自のカーシェアをデザインすることができます。

一般的なレンタカーやカーシェアでは借りることができない、趣味性が高い車種などを、当社ならではのセレクトで展開できれば、他のカーシェアにはない差別化になると考えています。また夫婦だけのときはカーシェアで十分でも子どもができるとマイカーがあると便利になります。カーシェアでクルマの良さや楽しさを理解していただければ、他のカーライフの入り口にもなってくると思うのです。

---:なるほど。地元の地理とカーライフの変遷を知り尽くしたセンチュリーオートさんにとっては、車種と配置場所と価格さえ変更できればアプリやシステムは共通でも独自カーシェアサービスとして成立し、さまざまなカーライフへのタッチポイントになるというわけですね。

---:石井 当社のカーシェアをご利用頂いたユーザー様が、利便性を再確認し、さらにクルマの魅力や運転する楽しさを感じていただく機会になれば嬉しいですね。

◆入会金&月額利用料&ガソリン代が「無料」

---:最後になりましたが、サービスの概要について教えて下さい。

---:石井 東松戸駅東口から徒歩約1分ほどの場所に、ひとまず2台(日産ノート、セレナ)をご用意しています。意外とご存じない方もいらっしゃると思いますが、現在普及しているカーシェアサービスは入会金や月額利用料が発生するケースが多いのですが、Pattoは無料でご登録頂けて、お選び頂いた車種の乗車時間に応じた利用料をお支払い頂くかたちです。

ユーザー様の安全運転ランク(S・A・B・C・D・E)に応じて、利用料金がお安くなる仕組みがあり、初回はCランクとなります。このため日産ノートの場合ですと税抜で、1分18円となり、6時間パックは3500円、24時間7000円、48時間1万4000円となります。(24時間以上の利用には別途距離料金があります)東松戸駅東口から徒歩1分の場所にあるカーシェア(Patto)の利用料金表。

給油に関しては、運転席側のサンバイザーポケットにございます「給油カード(※出光のガソリンスタンド限定)」をお使い頂き、ユーザー様ご自身で給油をお願いするのですが、料金は無料です。なお、カーシェア利用中に有料道路や駐車場を利用された場合は、ユーザー様のご負担となります。東松戸駅東口から徒歩1分の場所にあるカーシェア(Patto)車両は、運転席側のサンバイザーポケットに「給油カード(※出光のガソリンスタンド限定)」が用意されており、利用ユーザーは無料で給油できる。

地元の皆さん、具体的には松戸市、市川市、鎌ケ谷市在住の方々に対しては、2021年4月26日までに、カーシェア「Patto」専用アプリをApp StoreまたはGoogle Playからダウンロードのうえ会員登録(運転免許証&クレジットカード登録)を行っていただけると、利用時のお支払いに使っていただける1000円分のポイントをご提供しています。ぜひお試しいただきセンチュリーオートのカーシェアをご評価いただきたいと思います。

不明点やトラブルがあった際には、24時間365日対応のPatto利用者様専用コールセンターにて、オペレーターが対応させて頂く体制がございます。車両保険や補償内容は、一般的なレンタカーサービスとほぼ同様なのですが、カーシェアをご利用頂くにあたり一定の利用規約はございますので、その点をご理解ご了承のうえ、乗車頂ければ幸いです。

---:実際に御社のカーシェアを利用したのですが、予約・解錠・乗車・返却・支払いまで、すべてのスマホだけでスムーズに行えました。24時間いつでも、必要なときにスマホでクルマを借りられて、乗車時間に即した利用料を支払うだけのリーズナブルなカーシェアを利用したいニーズは全国各地であるのではないかと、今回の取材で感じました。センチュリーオートさんが経験したような通常のレンタカーサービスの背景には担当社員の重労働とコストの問題があることも理解しました。詳しいお話をお伺いさせて頂き、誠にありがとうございました。「地元の皆さん、具体的には松戸市、市川市、鎌ケ谷市在住の方々に対しては、期間限定で利用時のお支払いに使っていただける1000円分のポイントをご提供しています。ぜひお試しいただきセンチュリーオートのカーシェアをご評価いただきたいと思います」(石井代表)
《金武あずみ@JCR》

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