居住スペースとガレージが一緒になった「ガレージハウス」に憧れるのは、もはやクルマ好きだけではないかもしれない。クルマとともに暮らすということのみならず、自由なスペースがあるという、ゆとりや優位性に魅力を感じる人も多いようである。
クルマを収めていなくても、様々な可能性を秘めたスペースを有するということが「ガレージライフ」なのかもしれない。そんな新しいガレージ像を紹介したい。
◆保管&防犯の観点でも理想的な「シャッター付き」のガレージハウス
クルマの保管場所として理想的なのが、屋根・シャッター付きのガレージではないだろうか。風雨や寒暖の差からも守るので、クルマの外装の状態維持や、機関系のコンディションを保つ上でもやはり青空駐車とは雲泥の差があるようだ。もちろん防犯上の利点も大きい。
広大な敷地に自宅を構える人であれば、こうした車庫を整備することも可能だろうが、賃貸物件で生活する人の中にも、車庫にはこだわりたい、屋根付き保管をしたいという人は少なくない。
そこで最近では、2階に装備が充実した居住スペースがあって、1階がガレージになっているガレージハウスの賃貸物件も出てきており高い人気を誇っている。
物件によっては完成を待たずに満室になってしまうものも少なくないのだとか。ただ、今までのようにクルマを「しまっておく」だけのスペースとしてではなく、自由なスペースに可能性を感じて入居する人もいるのだそうだ。
◆ゴルフのプライベートレッスン「も」可能! 賃貸ガレージハウス
賃貸ガレージハウス専門の『GarenT(ガレント)』は、ゆったりとしたガレージスペースはもちろん、居住スペースもハイグレードな装備を網羅。賃貸ガレージハウスというくくりのみならず、屋根・シャッターのついたガレージ付きの“アパート=住居”として選ぶ上でも高い人気を誇る。
そんなガレントが提案するのは、ガレージスペースをプライベートなゴルフレッスン・スペースとして活用するというもの。ガレージスペースにゴルフシミュレーターを備え、シャッターを閉めれば密閉されたプライベート空間となる。
杉並区にあるガレントコーポレーションの事務所には、このほどゴルフのプライベートレッスンスペースの施工例が登場。入居を検討している人や、これから大家として不動産賃貸業に取り組もうという人に訴求している。
大きな壁面を利用し、スクリーンに映し出されたゴルフシミュレーターは、単にゴルフ練習場さながらの景色が映し出されるだけではない。風や日差しといった天候条件までリアルに再現されている。
「賃貸ガレージハウスの売りは、なんといってもシャッターで外界としっかり隔絶できるスペースです。もちろん、大切な愛車を保管する上でも頼もしい機能ではあります。
しかし、単にクルマを収めているだけではもったいない。
基本的には全ての物件の屋内ガレージスペースの他に、足車で離れた自宅からガレージを訪れた際にちょっと車を停めたり、来訪者向けにクルマを置けるようにプラス1台分以上の駐車スペースがありますので、ちょっとクルマを表に出して、中でゴルフの練習ができるというのは、私たちガレントならではかもしれません。
ゴルフ練習場か駐車スペースか。ではなく“ゴルフの練習もできる屋根シャッター付き駐車スペース”として、ぜひ多くの方に注目していただきたいですね」とガレントコーポレーションは紹介する。
この物件を目の当たりにした中里光之介プロは「新しい生活様式が求められる今、こうした形でゴルフとの距離感を遠ざけずに練習できる環境は、素晴らしいですね。まさに、今の時代にぴったりな設備なのではないでしょうか」と話していた。
◆ガレージは格好の「作業スペース」
クルマ屋さんといえば、かつては街道沿いに展示場を構えているのが一般的だった。しかし今日においては、販売するクルマも販売方法も、地元顧客だけを対象にしていれば良いということでもなくなってきている。小さな事務所で運営されている自動車プロショップも少なくない。
東京は江戸川区の『ピッコロカーズ』も、今の時代にあった新しいスタイルの自動車プロショップと言えるかもしれない。イタリア語で「小さなクルマ」を意味するその屋号の通り、フィアット500やアバルト、はたまた古いローバー・ミニなど、販売車種は国を超えた小さなクルマたちのが多い。
最も、そう限定しているわけではなく、そんなクルマたちが持っている魅力をひとりでも多くの人に知ってもらいたいというスタンスで、魅力的なクルマたちを紹介しているお店といえるだろう。そんなピッコロカーズは、ガレージハウスを店舗として活用しているショップなのだ。
「自分仕様に仕上げたい」「こんなカーライフを送りたい!」という要望や期待に親身に応えてくれるピッコロカーズ 竹門代表のアドバイスを楽しみに、クルマを買う人も少なくないようだ。
「ちょっとしたパーツの取り付けや、時には違和感のチェックをここ(ガレージハウス)でしたりしています。特にヨーロッパ車には、本当に相棒のようにオーナーの懐に入り込む魅力があるんです。
全てではありませんが、こういうスペースがあることで、クルマを介してお客様のクルマへの想いみたいなものとも向き合える気がするんですよね」とピッコロカーズの竹門代表は話していた。
ガレージハウスは、クルマを介してカーオーナーとショップの“コミュニケーションの場”になっているということのようだ。
◆ガレージは「新しい生活様式」にも欠かせない!?
最近では、ロードサイドにガレージハウスタイプの物件を多く見かけるようになった。ライフスタイルが多様化し、働き方の選択肢が広がったことでフリーランス(個人事業主)で動く人も増えている今日。「物置」としては手狭だが、倉庫スペースのあるSOHO的な使い方として、ガレージハウスに注目する動きがあるようだ。
クルマを大切に保管するスペースとしてだけではなく、多様化する私たちの暮らしに“無限大の可能性をもたらす場”が、ガレージハウスなのかもしれない。今後もガレージハウスの使われ方や可能性について注目していきたい。