『プレリュード』『ソアラ』とくれば、やはりどうしても忘れられない国産スペシャルティカーがまだある。そこで今回、登場させるのは個性が光った『コスモ』『ラムダ』『レパード』の3車だ。◆マツダ・コスモ(2代目・1975年)初代がロータリーエンジン搭載のスポーツカーだったのに対し、アメリカナイズされたスペシャルティクーペとして登場した2代目。車名『コスモAP』の“AP”は“Anti Pollution”の意味があった。全幅は1685mmだったから、今の感覚からすればコンパクトだが、フロントまわりのダイナミックな造形は存在感があった。クロームで縁取りされたセンターピラー部の“小窓”は昇降式。1977年に追加された『コスモL』は、馬車の形式に由来する“ランドウ”を車名とし、ルーフ後半のいわゆるレザートップ部のオペラウインドゥ(これも昇降開閉式だった)としたモデル。搭載するのは2機種のロータリーエンジン(13Bと12A)のほか、2リットル、1.8リットルのレシプロエンジンも用意があった。13Bといわずとも12Aでも十分に速かったが、実際のオーナーが筆者の友人にもいたが、学生の身分だったこともあり「燃料計の針が減っていくのが肉眼でもわかる」などと仲間内で冗談半分に言っていたのを思い出す。◆三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)セダンの『ギャラン・シグマ』をベースに仕立てられた2ドアハードトップのスペシャルティモデル。北米市場でも人気を博した(『プリムス・サッポロ』などとして販売された)。SAE規格の角型4灯ヘッドランプを上手く取り入れたフロントマスク、再度まで回り込ませたリヤウインドゥが外観上の特徴で、途中から北米仕様と共通の“ロールバーガーニッシュ”や大型バンパー(5マイルバンパー)採用したデザインも設定。インテリアでは何といっても1本スポークのステアリングホイール(当時、“シトロエン風の……”と紹介した記事がどれだけあっただろう?)が特徴。オーディオには木製エンクロージャー(スピーカーボックス)が奢られたDAIATONE製も設定。搭載エンジンは53年排出ガス規制に適合させたMCA-JETの2リットルほか、1.6リットル、上級仕様の2.6リットルなど。◆日産レパード(初代・1980年)『レパード』は最終型(4代目)で“セド/グロ”の兄弟車に甘んじて消えてしまったが、やはりセンセーショナルだったのはこの初代だったろう。サッシュレスの4ドアおよび2ドアの2つのハードトップボディを設定。6角形をモチーフにしたホイールのデザインを始め、他車と一線を画す未来的なスタイリングが実に新鮮だった。ガラスプリント式のオーナメントの採用ほかフラッシュサーフェスも意識され、Cd値=0.37を達成。インテリアも液晶セグメント表示式のマルチ電子メーターを始めメカニカルで先進的なムード。ドライブコンピューター、ワイパー付き電動リモコン式フェンダーミラー等も採用した。主力はL28型とL20型の当時の直列6気筒エンジン搭載車。
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