例えばカメラにしても楽器にしても、こだわりが強いアマチュア程、その道のプロが使う道具が気になるもの。クルマを綺麗にするディテイリングでも、機材選びは大切なポイントのひとつ。欠かせない「磨き」で、プロは何を重視してどんなポリッシャーを選ぶのか。今回は、業界でも注目を集める大阪堺市のプロショップ「カーメイクアートプロ」で磨き歴25年の伊藤多加幸氏が、老舗ブランド「リョービ(京セラインダストリアルツールズ)」の最新プロ向けポリッシャー2台をテストした。多数のスーパーカーを日々扱う職人の鋭い視点は、一般ユーザーにも十分に参考になるハズだ。<今回テストしたポリッシャー>写真左:電子シングルアクションポリッシャー「PE-202R」 安定した研磨力が売り。PE-202をベースに正逆回転機能が追加された写真右:電子ダブルアクションポリッシャー「PED-132」 押し付けても回転が止まらない特許出願中の独自機構が特徴販売元:京セラインダストリアルツールズ◆経験が浅くても使いやすい基本設計伊藤氏が最初に試したのが、シングルアクションポリッシャー「PE-202R」。使用するなり、まず評価したのが重量バランスだ。ポリッシャーを毎日のように使うプロでは、磨き性能はもとより、使い勝手も重要な機材選びの指標のひとつ。数あるポリッシャーの中ではしっくりこないモデルもあるそうで、「PE-202Rは重量バランスに優れていてすわりが良いので、無理なく力を加えられ、疲れづらい。よく考えられた低重心と重量配分」と感心の声を漏らした。この特性は、今回テストしたもう1台のダブルアクションポリッシャー「PED-132」も同様で、操作性の良い補助ハンドルを備えたボディ設計はリョービのプロモデルの大きな特徴。「優れたバランス感に加えて振動も抑えられているので、若手や経験が浅い人でも使いやすいのでは」との言葉は、DIYユーザーにとっても頼もしい。◆増えてきた水性塗料にもしっかり対応そして、肝心の磨き性能についても太鼓判。「PE-202R」では高負荷でも回転数低下を抑える電子制御式を採用。それにより、「回転を調節する変速ダイヤルを2~3(最大6)で磨いてもしっかりと傷を処理できる。回転を上げなくて済むので切削時の発熱が少なく、最近多い水性塗料への負担も少ない」(伊藤氏)そうだ。さらに、「PE-202R」は昨年リニューアルした「PE-202」をベースに正逆回転機能が追加されたモデル。「パネルの境目などは逆回転にすることで磨きやすくなる」と、数をこなす職人ならではの作業効率の向上術を示してくれた。他方、水性塗料の増加を背景に、プロの間では発熱しづらいダブルやギヤに流れがきているとして、ダブルアクション「PED-132」にも注目。発熱の抑制は、塗装面の負担のみならずコンパウンドの急激な乾燥も防げる。「オービットが小さいこともあり、特に仕上げ時の肌の質感は極めて良好。PE-202RとPED-132の2台があれば、バフやコンパウンドを使い分けることで全車全色仕上げられる」と、その性能に折り紙を付けた。実はプロでも磨きが難しいというのが、近年増えいている水性塗料。塗料の性質により、ポリッシャーや組み合わせるコンパウンド、バフも変わってくるので、磨きにチャレンジするDIYユーザーは機材選びの前に一度、愛車の塗料の特性を確認してみても良いかも。◆こだわり派のユーザーは挑戦の価値あり今回お届けしたのは、あくまで経験を積んだ熟練のプロの機材評価。いくら機材が良質でも、腕がなければ結果も伴わないのはどの世界も共通だ。また、伊藤氏はプロテクターを備えたボディの堅牢性や、脱着コードによってコード接合部の負担を減らせる点を、毎日使うプロの視点で高く評価していたが、使用頻度が低い一般ユーザーには当てはまりにくい部分である。そういった面では、ランダムオービットサンダ「RSE-1250」など、価格面を含めてDIYユーザーが使いやすいモデルもリョービからはリリースされている。それでも、卓越した性能に高い堅牢性、安定した使い勝手を持つプロユース想定の「PE-202R」「PED-132」は憧れの的。「やっぱりプロと同じものを使いこなしたい」というこだわり派にとっては、間違いない選択肢の1つとなるだろう。◆ショップ情報◆カーメイクアートプロ〒587-0002 大阪府堺市美原区黒山76-4Tel.072-369-3456営業時間:月~土曜9:00~19:00 第2・4日曜9:00~17:00定休日:第1・3・5日曜、祝日ホームページ:https://www.art-pro.co.jp/
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