ホームオーディオの製品は、買ってきて簡単な配線をすませばすんなりと音が出せる。しかしカーオーディオでは、製品を取り付けなければ音を出せない。しかも取り付け作業には結構な手間がかかる。さらには取り付け方の巧拙が、仕上がりの音の良し悪しにも影響する…。つまり、カーオーディオで必須となる“取り付け作業”にはさまざまなコツやセオリーが存在していて、創意工夫を加えながらそれらを実行していかないと、製品の性能を引き出せないのだ。それらコツやセオリーを1つ1つ紹介しながら、カーオーディオの面白さを解説していこうとする新連載を開始する。まずは、ドアに取り付けるスピーカーに関する話からお伝えしていこうと思う。最初に、カーオーディオの市販スピーカーがどのような状態で販売されているのか、から解説していく。カーオーディオのスピーカーは通常、スピーカーユニットだけで売られている。この状態ではズバリ、スピーカーとしてはまだ“未完成”だ。ホームオーディオ用のスピーカーをイメージしてほしい。店頭に並べられているそれらは大抵、スピーカーユニットが“箱”に取り付けられた状態で売られている。その“箱”にもいろいろな工夫が施されていて、材質、形状、内部の処理等々、さまざまな技術が注がれている。スピーカーユニットは、スピーカーにおいての“1パーツ”に過ぎないのである。少々強引な例えになるが、弦楽器に置き換えてみると…。スピーカーの“箱”は楽器のボディにあたり、スピーカーユニットは“弦”に相当する。弦楽器では、いかに高級な“弦”を使おうとも、ボディが粗悪なものであったら良い音を奏でることは不可能だ。スピーカーでもそれは同様だ。スピーカーユニットの性能の良し悪しが音に影響することは事実だが、“箱”の性能が良くなければスピーカーユニットの性能を引き出すことは困難だ。カーオーディオでは、フルレンジスピーカー、もしくはセパレートスピーカーのミッドウーファーをドアに取り付けることとなるのだが、ドアスピーカーにおいては、クルマのドアがスピーカーの“箱”の役割を果たす。そしてドア内部にどう手を加えるかで、スピーカーとしての完成度が変わってくる。つまり、取り付け作業はイコール、“スピーカーを作る作業”なのである。今週の話をまとめよう。「カーオーディオのスピーカーは、売られている状態では未完成。取り付けて初めてスピーカーとして完成する。そしてドアスピーカーにおいては、ドアを加工することでスピーカーとしての完成度が上がっていく」。次週以降はこれを踏まえて、ドアにどのような加工が施されるのかを、順を追って解説していく。乞うご期待。
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