自動車所有者に課せられた自賠責保険の収支などについて議論する「自動車損害賠償責任保険審議会」(会長=藤田友敬東京大学大学院法学政治学研究科教授)が24日、金融庁で開催された。新たに選出された藤田会長の下、委員の賛意を得て、2018年度の自賠責保険の保険料率は2017年度と同水準で据え置くことが決まった。保険料は保険会社や共済が最終決定するが、これにより2018年度の新しい契約でも、2017年度と保険料・共済掛金は変わらないことになる。審議会では、自動車ユーザーが支払う保険料算出の基礎となる料率について検証を行っている。保険料収入の対象となる車両台数は、2017年度の8940万4500台から8957万4400台で前年度比0.2%増と見積もった。保険金支出の増額要因となる事故率は前年度比、死亡事故と後遺傷害事故で若干の減少傾向、傷害事故を同率と予測。賃金上昇率0.1%増、治療費上昇率0.05%減を見積もった。その結果、平均支払保険金は、損害で43万4000円/件(2017年度比0.1%増)となるものの、死亡(2403万4000円/件)、後遺障害(391万6000円/件)の支払保険金は変わらないとした。2018年度、保険料収入(純保険料)は7709億円、支払保険金総額は8020億円を見込んでいる。自賠責制度にはノープロフィット・ノーロスの原則があり、大きな利益や大きな赤字を抱えないようにユーザーが負担すべき保険料が定められる。ちなみに2017年4月1日からの保険料は1年~3年、自家用乗用自動車で1万5520円・2万5830円・3万5950円(3年)。排気量125cc以下の原動機付自転車で7500円・9950円・1万2340円になっている。
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