純正スピーカーの音に不満を抱きながらも、「スピーカー交換」に踏み出せないでいる方々に向けて、それを強力におすすめする短期集中連載をお贈りしている。今回はその3回目として、市販スピーカーのグレード解説をお伝えしていく。■手頃なモデルほど、価格差によって性能差もでやすい…。早速本題に入ろう。市販スピーカーにはグレードがさまざまある。一体いくらくらいの製品を選ぶと、間違いがないのだろうか。高級な製品になればなるほど高品質である可能性は高くなる。しかしながら、上を見ればキリがない…。逆に、最エントリークラスのスピーカーであっても、純正スピーカーより高性能であることは確実だ。であるので、もっとも手頃なモデルを選んだとしても、ある程度の満足感が得られることも事実だ。とはいいつつも、価格が手頃なモデルになるほどに、ちょっとの価格差が大きな性能差となって表れる。例えば、1万5000円のモデルと3万円のモデルでは価格が倍違う。その差は当然ながらダテではない。というわけで、1万5000円のモデルと3万円のモデルとでは、それなりの性能差が出てくるし、さらに3万円のものと6万円の製品とでも、それなりの性能差が出てくる。従って、1万5000円の製品と6万円の製品とでは、相当な差があると思って間違いない。ちなみにカーオーディオプロショップでは大体、3万円台の製品をスタートラインとしているようだ。最エントリーグレードの製品も悪くはないのだが、予算が少なめであったとしても、それよりもワンランク上の製品を選んでおくと、満足度もぐっと高くなる。当特集でも、3万円クラスの製品から検討するすることをおすすめしたい。■グレードを検討する際は、“カスタムフィット”もしくは“トレードイン”という言葉に注目!ところで国産モデルを見ると、6万円台のものまで、または8万円台のもの、場合によっては10万円くらいの製品までを“エントリーグレード”と位置付けて、初心者に向けて訴求している。このように、メーカーによってラインは異なるものの、各社とも初級ユーザー向けの製品についてはそれを、“カスタムフィットモデル”とか、“トレードインタイプ”とか呼んでいる。そのようなワードが出てきたら、価格はさておきそのモデルは“初級ユーザー向け”と理解していいいだろ。なお、“カスタムフィット”とか“トレードイン”という言葉は、「簡単に取り付けられる」ことを意味している。簡単だという最大のポイントは、「ドア内部や内張りパネルを大きく改造する必要がない」ことにある。つまりは、“取り付け奥行き寸法”が短めであることが主なポイントとなるのだ。スピーカーの厚さがそれほどでもなければ、ドアの内張りパネル内に収められる車種が多くなる。そのように取り付けられれば、初期費用も比較的に抑えられる。であるので、スピーカーのグレードを検討する際には、“簡単取付”をうたっているかどうかもチェックすると参考になる。“カスタムフィット”とか“トレードイン”という言葉が使われている製品は、もろもろ安心感が高いのだ。とはいいつつも、簡単に取り付けられるかどうかは、車種によってケースバイケース。“カスタムフィット”と書いてあっても、簡単に付かないこともあるからご注意を。そのあたりはプロショップに行ってみればすぐに分かる。愛車にはどのくらいのサイズのものまでなら簡単装着可能か、ささっと調べてもらえるはずだ。■車種専用モデルもチェックするべし。専用モデルであれば、取り付けもスムーズ。なお、愛車に簡単取り付が可能かどうかがすぐに分かる製品もある。それはどのような製品なのかというと、ズバリ、車種専用モデルだ。であるので、まずは愛車専用のモデルがあるかどうかを探してみるのも良いだろう。予算に合致するものが見つかれば、それも候補に入れてもいい。車種専用モデルというと選択肢が絞られてくるので、いろいろな製品を検討したいと思えば車種専用品でないほうが良いが、車種専用品には、取り付け費用も含めて総予算をイメージしやすいというメリットがある。探してみて損はないはずだ。さて、10万円台以下の製品がエントリーユーザーに選ばれることが多いのだが、その上にももちろん、魅力的なモデルは多々ある。ざっくりと分類するならば、10万円から20万円くらいまでのものが“ミドルグレード”、そして20万円以上のものが“ハイエンド”と呼ばれることが多くなっている(メーカーごとでも位置づけは異なる)。しかしながら先にも説明したとおり、“ミドルグレード”以上のモデルでは、大型化する傾向が強くなり、“簡単取付”がしにくくなる。さらに言えば、高級品になるほど、ある程度手をかけて取り付けたくなる。そのほうがスピーカーの性能を引き出しやすくなるからだ。高級品であればあるほど、性能を引き出せないともったいない。手をかけることを前提として開発されているモデルすらある。このあたりについての詳細は、以降の回で詳しく解説するが、「グレードの高い製品は、取り付け費用もかかってくる」ということを、頭に入れておくといいだろう。今回は、ここまでとさせていただく。次回は“選び方のコツ”について、さらに詳しく解説する。お楽しみに。