日本のメジャープロレス団体の1つ「全日本プロレス」が、今年設立45周年を迎えた。ジャイアント馬場こと故・馬場正平氏が1972年に旗揚げして以降、ジャンボ鶴田、天龍源一郎、三沢光晴、小橋建太…など、名前を挙げたらきりがないほど多くのレジェンドレスラーたちが、そのマットで数々の死闘を繰り広げてきた。去る8月27日、全日本の節目を祝う大会が、両国国技館(東京都墨田区)で行われた。さすが記念大会だけあって、そのカードは豪華絢爛の一言だ。会場に詰めかけた6,550人の満員観衆を興奮の渦に巻き込んだ。挑戦者の宮原健斗が、王者・石川修司をシャットダウンスープレックスホールドでくだし、全日本の至宝ベルトを再奪還した三冠ヘビー級選手権試合をはじめ、TAJIRI対ウルティモ・ドラゴンの世界ジュニアヘビー級選手権試合などタイトルマッチも盛り沢山。さらに伝説のレスラー、ドリー・ファンク・Jrが登場し、ヒロ斉藤とのタッグで、渕正信&ザ・グレート・カブキ組と対戦。往年のプロレスファンなら感涙するカードなど、特別試合がいくつも組まれた見ごたえ充分の大会だった。◆カーベル伊藤がタイトルマッチに登場「あれ、ここってクルマのサイトじゃなかったけ?」と思っている読者も多いかもしれないが、ここまでプロレスの話を続けたのには理由がある。実はこの全日本プロレスの威信をかけた大会に、ある自動車関係会社の社長がレスラーとしてガチ参戦したのだ。それが新車の販売やリースを行う「新車市場」などを展開するカーベル(東京都中央区)の伊藤一正社長、もといカーベル伊藤だ! 大会のスポンサーも務めた同社の社長が、自らも覆面レスラーとして参戦し、マットを大いに湧かせた。昨年1月にメキシコでプロレスデビューを果たし、これまで全日本の大会にも参戦してきたカーベル伊藤だが、今回の大会はこれまでとは勝手が違う。最初にも言ったように、これは45周年の節目の大会だ。しかも、出場した試合は、「!BANG!TV 世界ヘビー級選手権試合」というタイトルマッチ。これは特別試合にも登場したドリー・ファンク・Jrが提唱した特別なベルトで、自ら参戦を要望し出場に至った。バトルロワイヤル形式の試合で、王者・西村修へ挑戦する12人のチャレンジャーの1人として、本気でベルトを狙いにいったのだった。◆会社社長という肩書を疑うほどの、仕上がりっぷりチャンピオンの入場の後に、登場する挑戦者達。グレート小鹿、吉江豊ら歴戦の雄達に混ざって登場したのが、青と黄色のマスクを被ったカーベル伊藤だ。その盛り上がった筋肉は、他の選手と較べても遜色がない。むしろ会社社長という肩書の方がウソなのではないかと思うほどの仕上がりっぷりだ。マットに上がった時に客席から飛んでくる「カーベル!!」という声の数も、人気レスラーばり。その声に手を挙げて応じる姿も、花形レスラーのような雰囲気を醸し出す。「やっぱり会社社長という肩書の方がウソだったんだ!」そんな確信が胸に押し寄せる。それほど“全日のレスラー”という雰囲気が、体中から発されている。選手紹介が終わると、会場にゴングが鳴り響く。いよいよカーベル伊藤のタイトルに向けた戦いが始まった!◆ タイトル目前!しかし一寸先は…開始直後からチョップ、キックなど積極的な攻撃を展開するカーベル伊藤。対戦するレスラーも、手加減なしの攻撃をカーベル伊藤に浴びせる。なにせタイトルマッチ。スポンサーといえど花を持たせる気など一切無い。徐々に脱落者が出始めても、カーベル伊藤は奮闘。それどころか、積極的にフォールを奪ったり、場外に落とすなど、他の選手の息の根を止める活躍ぶりだ。気がつくとマットの上はカーベル伊藤も含め残り5人。この激しいサバイバルを終盤まで勝ち抜いていたのだ。タイトルは目前!…だったのだが、ここで思わぬハプニングだ。挑戦者の1人、レイパロマをリング外に落とした際に、覆面レスラーの命ともいえるマスクを剥ぎ取られ、“正体”が露わに。これに激昂したカーベル伊藤は、マットを走るとロープを越え、場外のレイパロマに向け華麗にダイブ。大ダメージは与えたのだが、自らもオーバーザトップロープ(場外に転落)で敗退が決定してしまったのだ。マット下で悔しさを露わにし、地団駄を踏むカーベル伊藤。しかし、もちろん結果が覆ることはなく、うつむきながら控室へと戻っていった。結局試合は、王者の西村がタイトルを防衛し、幕を閉じたのだが、“大番狂わせ”まであと一歩のところまで迫っていただけに、その無念さは計り知れない。◆三冠ベルト挑戦も…あります?独自の方法で、自動車業界のみならず、プロレス業界まで盛り上げるカーベルの伊藤社長。その取り組みは、団体の最高峰舞台への出場に繋がった。「このまま三冠ベルト挑戦も!?」…というのは、さすがに高望みかもしれないが、このバイタリティが自動車業界に与える影響は計り知れないだろう。まさに“予測不能”。今後もカーベル伊藤に、驚かされるのは間違いがなさそうだ!
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