物流新時代を支える新たな切り口!…運輸・交通システムEXPO 2017 | CAR CARE PLUS

物流新時代を支える新たな切り口!…運輸・交通システムEXPO 2017

イベント イベントレポート
業界関係者の関心は高く、説明員の話に真剣に耳を傾ける様子が各ブースで見られた
  • 業界関係者の関心は高く、説明員の話に真剣に耳を傾ける様子が各ブースで見られた
  • 会期3日目は生憎の天気だったが、多くの来場者が訪れた
  • ジョブコンプラスDを運営する「ディーピーティー」の展示ブース
  • ジョブコンプラスDでは、各企業の特色を押し出した求人ページを作成してくれる
  • 親会社が運送会社ならではの切り口で、求人サイトを運営する「ドラEVER」
  • 「点呼」という、最も基本的な部分に焦点を当てたサービスを展開する「テレニシ」
  • システックは、TVなどでも取り上げられた運行管理システム「ロジこんぱす」を展示
  • ロジこんぱすの「運転時計」では、今月あと何時間働けるかもチェックできる
5月24~26日の3日間にわたり、「運輸・交通システムEXPO 2017」が、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。

国内外42の企業・団体が出展した会場では、安全運転、事故防止、省エネ運行やドライバーの健康管理といったテーマのもと、それらの課題を解決するためのシステムや製品、技術が多数展示され、来場者に対して熱心に説明する姿が見られた。

多くの業界関係者が来場した本展示会だったが、今回、印象的だったことは、「人材不足」や「労務管理」といった昨今の運輸・物流業界の事情を反映した出展が多かったことだ。

◆ドライバー専門の求人サイト

会場内で目を引いた展示のひとつが、今回が初出展だというドライバー専門の求人サイト「ジョブコンプラスD」を運営するディーピーティー(愛知県名古屋市・竹本昭夫社長)の展示ブースだ。中部地方を中心に事業を展開する同社は、もともと工場や製造業向けの求人サイトを運営していたが、ニーズの高まりを受けて昨年の9月に同サイトを立ち上げた。

ジョブコンプラスDを運営する「ディーピーティー」の展示ブース
会場で話を聞かせてくれたのは、メディア事業部の武田さん。丁寧に説明をしてくれた中で意外だったのは、人材不足と言われながらも決して働き手がいないというワケではなく、ドライバーという仕事まで辿り着けなかったり、働き始めた後に想像していたものと違ったことで離職する、定着率の低さの方が問題だということだ。

「総合求人サイトとは違って、ページを見て頂く人の目的意識がハッキリしているので、企業さんの特色を打ち出した求人ページを作成することができます。また、応募する人も、その会社の特色について事前に深く知ることができるので、企業側と応募者側のイメージの齟齬が無く、その後の定着率が高くなります。90%を超える企業さんもありますよ」とサイト立ち上げから今に至るまでの手応えを語る。また、会期中には運送会社の担当者がブースを訪れ、実際に多くの相談を受けたという。同社は、この出展を機に認知を広げ、全国展開を目指す考えだ。

他にも、同様にドライバー専門の求人サイト「ドラEVER」も出展しており、企業のPR動画の掲載をするなど独自の戦略で新しい求人のカタチを訴求する。これも、定着率を上げるための一つの手法といえる。どちらのサイトもスマートフォンに対応し、若手ドライバーをはじめとした、長期に働ける人材の獲得に積極的に対応しているのも大きな特色だ。

親会社が運送会社ならではの切り口で、求人サイトを運営する「ドラEVER」
◆「労務管理」もカギ

もう1つ、今回の展示で特徴的だったのが、従来の「運行管理」だけでなく「労務管理」にも大きく焦点が当てられていたことだ。過酷な労働条件が問題となり、法改正などが行われて制度は厳しくなったものの、実際の現場ではなかなか対応できていないのが現実だ。そこで、データをデジタル管理したり、ネットやコンピュータを駆使して作業工数を圧縮する最新のシステムや製品の提案がなされた。「点呼」の仕方や、「日報」の管理といった日常当り前に行われている業務に、最新の技術を組み合わせることによって、ヒトの負担を減らすというシンプルな考え方だが、業務の基本を見直すという発想が肝要といえる。

「点呼」という、最も基本的な部分に焦点を当てたサービスを展開する「テレニシ」
切り口は各社それぞれだが、今まで触れられることのなかった、「アナログ」な部分の課題を何とか解消していこうという意識が感じられる展示が多く、運輸・物流の業界が激動の時期を迎えている今、こういった提案が少しでも業界の盛り上げに繋がることを期待したい。
《カーケアプラス編集部》

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