排気量125ccまでのバイクを運転できる小型限定普通二輪免許取得の負担軽減で、警察庁が具体策に動いている。その切り札が、全国の指定教習所に対する次世代ライディング・シミュレーターの導入促進だ。同庁は今年度、取得までにかかる実技教習を最短2日で終了される条件に付いて調査研究を立ち上げる予定だが、結論を得るまでの日程が定まっていない。調査研究では、現行で最短3日で終了する教習を、最短2日で終了するための条件を検討するが、実は、法令の定める最短3日ですら実現できていない現実がある。同庁運転免許課が全国の指定教習所を調査したところ、98%の教習所が現行の法令通りの最短3日で終わらず、最短4日以上かかっていた。この原因が、実技教習に盛り込まれたシミュレーター教習にあった。シミュレーター教習は他の二輪免許でも義務付けられているが、教習生に対応するだけのシミュレーター数が用意されていない。そのため他の実技教習が終わっても、シミュレーター教習予約待ちのために、免許取得ができなかったのだ。この状況を改善するために、同課は昨年10月に新たな通達令を発出。現行のシミュレーターに必要な運転にバンク角を反映させる機能などを省略し、簡素で価格の安い次世代シミュレーターを開発できる規格を整えた。すでに、この規格で、セガ・ロジスティクスサービスが型式認定を受けて、次世代シミュレーターを販売している。全国の教習所にある現行のシミュレータのうち35%ほどが、導入10年以上の更新期に入っていることなどから、同課は都道府県警察の交通部長に対しても通知し、導入促進を図っている。また、教習所に対して、次世代シミュレーター導入の補助も行って普及を目指す。