東芝は3月17日、ワイヤレス急速充電装置を用いたEVバスで、ディーゼル車と比較して約60%のCO2削減効果を実証したと発表した。今回の実証実験は、環境省委託事業「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」において、ワイヤレス充電の利便性やCO2削減効果の検証を目的に、東芝と早稲田大学が共同で2016年2月から2017年1月にかけて実施したもの。両者が共同開発したワイヤレス急速充電装置を搭載した中型と小型のEVバス2台を、企業の連絡バスとして川崎市や羽田空港周辺の公道で1日3~4往復走行。公道走行で測定した走行距離と消費電力などのデータをもとに、早稲田大学がCO2削減効果を計算した結果、首都高を含むルートを運行した中型EVバスでは、同サイズのディーゼルバスと比較して、約60%の削減効果があることがわかった。ワイヤレス急速充電装置は、車載向けに国際標準化が進む85kHz帯を採用し、従来型の電磁誘導方式よりも送電パッドと受電パッド間が離れた状態で送電することができる磁界共鳴方式を用いた。さらに、パッド間が左右20cm、前後10cmまでずれていても充電可能な東芝独自の送受電パッドを採用。またEVバスには、1万5000回以上の急速充放電を繰り返しても劣化の少ない長寿命特性を持つ東芝製リチウムイオン二次電池「SCiB」を搭載した。