日立オートモティブシステムズは、発電用モーターと駆動用モーターの2種類が、ゼネラルモーターズ(GM)の発電用ガソリンエンジン搭載常時電動駆動車である、新型シボレー『ボルト』に採用されたと発表した。ボルトの2種類のモーターには、固定部のステーターに挿入されるコイルとして、断面積に比例した高電流を流すことが可能なバーコイルが使用されている。このバーコイルは、一般的に使用されている丸線コイルと比較して、挿入部内のスペース活用により、高トルク密度を実現させる利点がある反面、その断面積の大きさにより、コイル曲げが困難という課題があった。今回、日立オートモーティブが導入したコイル成形技術によって高速、高精度なコイル曲げが可能となり、生産工程の効率を従来比で約40%アップさせた。また、複数の磁石が挿入されているモーターの回転部分であるローターには、これまで磁石を一つずつしか挿入できなかったが、今回新たにマガジン方式を採用、磁石を極毎に束にして挿入することにより、生産工程の効率を約60%向上した。これら2つの新技術の導入などにより、全体の生産効率が54%改善した。生産効率を高めたGM向けモーターは、日立オートモティブの米州地域統括会社の日立オートモティブシステムズアメリカズのケンタッキー州ベレアモーター工場で生産し、GMのミシガン州ウォーレン工場に納入する。「地産地消」戦略の強化により、地域密着型の顧客サポート体制を拡充する。今回のモーターは、2010年に販売開始された初代シボレー・ボルト向けに続けての採用で、日立オートモティブの高いモーター技術がGMに評価されたとしている。