【cocoro Drive 体験】自動運転は乗客サービスを考えるところまで来た? | CAR CARE PLUS

【cocoro Drive 体験】自動運転は乗客サービスを考えるところまで来た?

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iPadのアプリとして稼働している「cocoro Drive」。色の付いた球体と、その回りのワイヤーフレームが感情を表現している。運転手は自動運転中だ。 《撮影 山田正昭》
  • iPadのアプリとして稼働している「cocoro Drive」。色の付いた球体と、その回りのワイヤーフレームが感情を表現している。運転手は自動運転中だ。 《撮影 山田正昭》
  • 今回の実証実験はプリウスをベースにZMP社が開発した自動運転車両で実施された。同車両は愛知県内のさまざまなエリアで自動走行を行っている。 《撮影 山田正昭》
  • 車内にはiPadが設置されている。ただし、路線バスなどに採用した場合、全席にディスプレイが設置されるわけでは無いそうだ。 《撮影 山田正昭》
  • 最初の写真とは球体の色が違う。感情を表現しているのだが、これはテスト段階の暫定的なもので、完成時にはさらにわかりやすいインターフェースになると思われる。 《撮影 山田正昭》
自動運転の話題がますます増えているが、その実用化が迫っていることをひしひしと実感させてくれる興味深いソフトウエアがある。愛知県が実施している自動走行の実証実験で効果や使い心地が検証されている「cocoro Drive」がそれだ。

「cocoro Drive」はソフトバンクグループのSBドライブ社が、自動走行の実証実験を受託したアイサンテクノロジーから事業の一部を受託して開発したソフトウエア。ごく簡単に言えば、人間と会話をするAIだ。近い将来、運転手のいない自動走行のタクシーや路線バスが実用化されると、安全な走行という面では問題ないとしても、乗客サービスの面では問題が生じる。つまり、タクシーならちょっとした世間話、バスなら行き先についての質問など、乗客のさまざまな要求や疑問に対応することができなくなるのだ。

それなら、自動運転と同じように乗客サービスも無人化、自動化しようというのが「cocoro Drive」の出発点だといえる。ここからは、記者が実際に参加した実証実験の模様に沿って説明した方がわかりやすいだろう。実証実験は、あらかじめ設定されたコースを制限付きながら自動で走行するもの。今回は取材のため、その後部シートに乗り込んだ。すると目の前にiPadがあり、その画面上で「cocoro Drive」が起動している。最終的には組み込みソフトウエアとして車両にインストールされる予定だが、現時点ではiOSのアプリの形を取っているのだ。

実験車両が発進すると、「cocoro Drive」はコース上のスポットの説明をしてくれる。「左手は、トヨタ自動車明知工場です……」といった観光バスのガイドのようなものだ。また、「現在40km/hで走行しています」とか「目的地まであと2.1kmです」といった案内もする。同時に音声認識と合成音声による会話も可能で、たとえば「ちょっと怖いよ」というと、「怖がらせてしまってごめんなさい」とお詫びをする。現状ではそれだけだが、将来的には乗客の要望にあわせて走行速度を落とすといった制御も視野に入れているようだ。

さらに、「cocoro Drive」はその名の通り、感情面までもフォローすることを目指しており、実はそのエンジンにソフトバンクのロボット、ペッパーのものが流用されている。そのため話す言葉は愛嬌があって親しみやすい。

では、実際に体験してみてどうだったかというと、現時点ではアイデアを取りあえず形にしたレベルにすぎない、というのが正直なところ。とくに音声認識については、認識率がかなり低い。これは、走行中の車内というノイズの多い環境であることに加えて、「ヘイ Siri」に相当するコマンドが無く、人間の言葉を常時認識し、自分に向けられた言葉なのかどうかまで判断しようとしているためだ。

現在進行中の愛知県の実証実験では、一般の人に乗車してもらい、自動運転の乗り心地や、「cocoro Drive」の印象を答えてもらうといったこともしている。ただし、開発元であるSBドライブは、「cocoro Drive」の完成を最終目標としているのでは無い。じつは、自動運転の無人バスを走らせる壮大な計画を立てており、「cocoro Drive」を通じて自動運転の実証実験に参加していることは、その計画の第一歩なのだ。決まったコースだけを走る路線バスは自動運転の中でも比較的に難度が低く、はやければ2021年にも無人バスの実用化を目指すという。いよいよ自動運転の実用化が現実味を帯びてきた。
《山田正昭》

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