米国のEVメーカー、テスラモーターズは9月15日、南カリフォルニア エジソン ミラローマ変電所に、20MW/80MWhパワーパックシステムを供給すると発表した。米国カリフォルニア州では2015年10月、天然ガス貯蔵施設で大規模なガス漏れ事故が発生。この事故を受けて、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は、非常事態宣言を発令した。2016年5月には、カリフォルニア州公益事業委員会が、エネルギー貯蔵(ストレージ)手段を至急確保することを命じている。その後、南カリフォルニア エジソンを含む電力各社は、2016年12月末までに実用化可能な大規模な貯蔵手段を確保するよう、要請を受けた。この要請を受けた入札の結果、テスラが電力会社向けのストレージ プロジェクトを請け負うことが決定した。 テスラの貯蔵システムは、地上最大規模のリチウムイオン バッテリー ストレージ プロジェクトになる予定。テスラによると、このシステムは、フル充電されれば2500以上の世帯に1日分、またはテスラ車1000台を充電する分の電力を供給できるという。さらにテスラは、「ギガファクトリーの大規模生産能力があれば、このシステムの生産、輸送、設置から引渡しまでを、3か月で行うことが可能」と説明。このシステムは電力網からの電力をオフピーク時に使用して充電し、その電力をピーク時に送電することで、1500万人に電力を供給する南カリフォルニア エジソンのインフラをサポート。これにより、テスラ パワーパック システムは、天然ガスにより発電された電力の需要を軽減し、より堅牢で近代的な電力網の発展を促進する。テスラは、「南カリフォルニア エジソンと協力し、テスラ パワーパック システムは電力網に組み込まれるストレージの新たな時代の到来を告げる画期的なプロジェクトになるだろう」とコメントしている。