実はレポーターは普段使いにツインエアの『500』に乗っている。が、告白すれば、今までは路上で隣にアバルトが並んでも、それほどいいなぁ、羨ましいなぁ、とは思わなかった。もちろん、サソリのエンブレムがあるかないかで、クルマはまったく別モノだ。だからこそチンクを“足”として乗っている自分にとって、アバルトは趣味のクルマ、別モノ…そう思って(自分に言い聞かせて?)いたのである。が、改めて乗った最新の『595コンペティツィオーネ』の出来のよさといったら! ウチのチンクは会場近くの駐車場にありますから、この試乗車、乗って帰ってもいいですか?と思わず言いそうになった。日本市場導入後にこれまでに乗ったどの500系(312系)アバルトよりも、最新モデルは格段に洗練されている。とくに試乗車の乗り心地のよさと、路面を舐めるようなロードホールディングが気に入った。これまでの記憶では、性能は高いが街乗りがハードなのは辛い…だったが、街中でも涼しい顏で乗っていられる。ポンポンと弾む(!)ノーマルの500からしたら、これなら羨ましい。ステアリングのパワーアシストもやや重めだが、あくまでシットリと良好なタッチで、決してねじ伏せて回す必要はない。180ps/23.5および25.5kg-mに性能が高められた1.4リットルDOHCターボも、強力だがパワーフィールがより決め細やかになった印象で実に扱いやすい。試乗車はパドル操作で任意シフトも可能なATモード付き5速シーケンシャルだったが、決して持て余さず、痛快で爽快なパフォーマンス(とサウンド)が楽しめる。スピードをジワリと締め上げるブレーキのタッチも心強い。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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