トヨタ自動車は、今冬に発売する新型『プリウスPHV』の報道関係者向け試乗・技術説明会を開いた。先進モデルとして新技術や新機構を積極的に採用するなか、素材面ではバックドアにCFRP(炭素繊維強化樹脂)を大量使用した。バックドアの素材は外板部に樹脂、開閉関係部品に少量の鉄製品を使っているほかは、インナー骨格と呼ぶ部位に使ったCFRPが大半を占める。MSボデー設計部の西野章グル―プ長によると「量産モデルで、これだけの大型部品にCFRPを使ったのは業界でも異例」と見ている。軽量化をはじめ、テールランプのデザインの自由度、後方視界の改良といった狙いから「開発の初期段階でCFRPの採用を決めた」(西野氏)という。薄く流れるようなデザインとしたテールランプは、後部デザインの最大の特徴ともなっている。重量では、インナー骨格にアルミを使用した場合に比べ、約40%の軽量化を実現している。また、コスト高がネックのCFRPだが、内装部分はCFRPを剥き出しにしたデザインとすることなどにより部品を削減、「アルミの場合とほぼ同等レベルの原価」(同)を達成したという。