日産自動車の追浜グランドライブで、プレス向けのプロパイロット試乗走行会が行われた。同社が掲げる自動運転技術に関する2020年までのロードマップで最初に市場投入されるもので、高速道路での単一車線での自動運転を支援するものだ。プロパイロットは、まずは高速道路の渋滞追従走行や長時間のクルージングを支援する。試走は前に車が走行する形で行われ、先行車に追従してスピードを調整したり、渋滞を想定した停止、発進をためしたり、どちらかというと渋滞走行を意識した走行パターンでのテストだった。レーンキープ機能以上にステアリングを積極的に制御して、自動でコーナリングできるのもプロパイロットの特徴のひとつだ。ステアリング制御は、6か所のコーナリングで体験する。コーナーのRは70~170Rとのことだが、一部は複合コーナーになった箇所もあった。また、テストコースなので、あえて路面のうねりや継ぎ目などを再現している部分、ゆるいアップダウンもある設定だ。車両は、年内にプロパイロットが搭載される予定の『セレナ』が用意された。先行車は『リーフ』だった。車に乗り込んで、まずプロパイロットのメインスイッチをONにする。これでシステムが起動するが、このままでは、カメラやセンサーが機能を始めるだけでまだ制御は始まらない。リーフに続いて発進し、しばらくすると先行車を認識し、追従走行の制御が可能になる。さらに走行すると車線を認識するとステアリングの制御も始まる。プロパイロットのメインスイッチがONかつ、先行車、車線を認識できている状態で、セットスイッチを押せばその速度で追従走行の制御やステアリングの制御が実際に開始される。追従走行や前車がいない状態の巡航速度の設定は、+ボタンーボタンで行う。プロパイロットのスイッチ類はすべてステアリングに配置され、操作そのものはクルーズコントロールとほぼ同じと思ってよい。違うのはステアリングの制御が、人の操作なしでも曲がっていくようになっていることだ。巡航走行や追従走行については、インテリジェントクルーズコントロールや類似の機能を使ったことがある人なら、ボタン操作を含めて、ほぼ同じ感覚で運転できる。渋滞や高速道路の巡航でクルーズコントロールを使っている人は、違和感はないのではないだろうか。渋滞などでは、足の操作に意識を集中せずとも適切な加減速、停止、発進を行ってくれる。しかし、ステアリング制御は、はっきりとした介入操作を感じる。ハンドル操作は自分で行う意識でいると、ハンドルの方が勝手にぐいぐい動いて曲がっていく感じだ。しかも、ハンドルの動きがカクカクした感じだ。ただし、舵角制御の解像度はレーンキープでの制御の20倍とのことで、車の動きがぎくしゃくするわけではない。介入感をはっきりさせるのは、自動運転であることをドライバーに意識させるためでもあるそうだ。テストコース上の継ぎ目、うねりについては、速度が低めだったこともあり、逆に介入を感じることはほとんどなかった。継ぎ目を乗り越えるときは、普通にガタンという振動があり、通常の運転でも無意識レベルで修正操舵をしていてもおかしくないくらいだが、自動運転の介入を感じるほどではなかった。舵角制御の解像度が高いので、コーナリングや危険回避以外の細かい操舵はステアリングからは感じられないのかもしれない。
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