『レヴォーグ』の最上級モデルとして設定された「STI Sport」。以前のレヴォーグとどのあたりが変更されたのだろうか。内装で目につくのはSTIカラーをイメージした赤とシックで高級感のある黒の配色だ。シート、ステアリング、シフトノブなどは本革製。アイサイトVer.3搭載、全車速追従機能付きクルーズコントロール、アクティブレーンキープ、AT誤発進抑制制御、後方警戒支援システムといった機能は「全部入り」と考えてよい。装備、内装の質感など最上級モデルの名に恥じないつくりになっているが、走行性能に関しても、従来レヴォーグのさらに上を行く装備だ。まずサスペンションがS207にも採用された倒立式ショックアブソーバーと専用スプリングを組み込んだDumpMatic IIサスペンション。コンフォートバルブ(前輪)に備え専用チューニングが施されたアクティブサスペンションだ。倒立式のショックアブソーバーは、剛性・耐久性に優れ競技車両によく使われる。STI Sprotでは1.6にもこのサスペンションが装着される。ステアリングギアボックスも専用開発のスティフナーによって取り付け剛性を高めている。余分なブレやガタつきを押さえた高級感のあるステアリングフィールに貢献する。そして目立たないが、ボディ各所に専用の補強を行っているという。スバルの共通プラットフォーム自体、かなり剛性の高いものだが、STIがさらに専用の補強を施した。補強は構造材を使ったもので、これは、単に強度を高めるというより、ボディのしなりや変形を理想的にし、走りの質感を高めるための措置だろう。試乗走行では、ラリードライバーの新井敏弘選手が「なんでこんなに動きが違うの? すごくよくなったね」と驚いたほどだという。レヴォーグ STI Sportは、6月中旬から受注を開始しているが、すでに1000台を超える注文が入っており、出だしは非常に好調だという。レヴォーグ全体ではすでに4万3000台以上の販売実績があり、月産2000台ほど。このうち10%ほどをSTI Sportに担わせたいとしている。
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