テュフ ラインランド ジャパン株式会社(横浜市港北区/岡本邦裕代表取締役社長)は、2026年2月12日から14日まで東京ビッグサイトで開催された『第23回 国際オートアフターマーケットEXPO(IAAE 2026)』に出展。同社が推進する「第三者認証」について、ブース展示とプレゼンテーションで訴求を行なった。
これまで同社は、自動車メーカーやインポーターの施策を支える「黒子」としての役割を担うことが多かったものの、今回の出展ではその立ち位置を一変させている。同社シニアセールスエグゼクティブの栗田隆司氏は、トヨタメンテナンスセンター(TMC)の監査への参画や損害保険会社による優遇措置など、中立的な第三者認証が業界の標準インフラとして定着しつつある現状を受け、「業界全体の改善に役立てるために広く自社の取り組みを発信することを決めた」と語る。

「メーカー認定」と「第三者認証」を繋ぐ共通言語として
栗田氏が特に強調していたのは、各自動車メーカー独自の「認定(Accreditation)」と、テュフ ラインランド ジャパンが行う「認証(Certification)」の切り分けと共存の重要性である。メーカーが定める独自基準である認定に対し、認証は「公の基準」に基づくものと定義をし、各メーカーや保険会社のこだわりである認定のコア部分に、テュフ ラインランド ジャパンが提供する「工場運営に直接関わるコンプライアンス」を共通言語として据えることを提唱している。
これにより、事業者が複数のメーカー認定を取得する際の重複項目が整理され、現場の負担を大幅に軽減できる仕組みが整いつつある。実際に、同社のコンプライアンス基準は10年以上の蓄積に基づいた高い信頼を得ており、現在では多くのメーカーや保険会社とのディスカッションのベースとなっている。

裾野を広げる「シルバーカテゴリー」と「部品リビルト工場認証(仮)」
また、認証制度の裾野を広げるための新たな試みについても訴求されていた。その一つが、主にディーラーから作業を請け負い、直接の接客対応は行わないものの、高い技術力と法令遵守体制を持つ工場を評価する「鈑金塗装工場認証シルバーカテゴリー」の新設である。栗田氏は、日本特有の業界構造の中で、接客の有無に関わらず「良い工場」を適正に見える化し、多様なビジネススタイルの事業者が生き残れる仕組みを提供したいとの考えを示した。さらに、旧車のレストア需要や部品供給終了といった課題に対応すべく、自動車部品のリビルト工場の品質を担保する認証制度も、年内のローンチに向けて開発が進められている。

「設備」から「人」へ…プロを証明するエキスパート認定
工場という「箱」の評価に加え、現在同社が注力しているのが、技術者個人のスキルを評価する「エキスパート認定」の分野である。特にペイントレス・デント・リペア(PDR)においては、株式会社トラストデントに対して、トレーニングの認定を行い、そのトレーニングを通して20名のエキスパート認定を行った。ここでは単なる技術力のみならず、内装パーツの取り扱いといった管理手法、記録、作業環境までも評価項目に設定。メーカーや保険会社が「誰に依頼すべきか」を客観的に判断できる基準を提供するとともに、技術者の社会的地位の向上も目指している。

栗田氏はドイツの事例を引き合いに出し「深刻な人手不足の中で、効率化を突き詰めた先にある工場の大型化と収益性の向上が、業界の生き残りには不可欠である」と述べ、日本の自動車アフターマーケット事業者に向けて指針を示した。

