スペックだけじゃわからない! 外部パワーアンプ“本当の性能”を見抜くコツ教えます[サウンドユニット・選択のキモ] | CAR CARE PLUS

スペックだけじゃわからない! 外部パワーアンプ“本当の性能”を見抜くコツ教えます[サウンドユニット・選択のキモ]

特集記事 コラム
「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:パラダ<滋賀県>)。
  • 「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:パラダ<滋賀県>)。
  • 「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:パラダ<滋賀県>)。
  • 「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:パラダ<滋賀県>)。

愛車のサウンドシステムのアップグレードに関心を抱くドライバーに向けて、その思いを実行に移そうとするときに役立つ、製品選択のポイントを解説している当コーナー。現在は「外部パワーアンプ」選びの際の“勘どころ”を説明している。

◆「周波数特性」はその範囲が広ければ広いほど高性能。しかし…

さて、前々回の記事では外部パワーアンプには「動作方式違い」があることを、そして前回の記事ではカタログスペックの中でもっとも目に付く「定格出力」について説明した。で、カタログを見るとその他にもさまざまなスペックが記載されているので、今回はその中の主要なものの意味とその数値から読み取れることを解説していく。

まずは、「周波数特性」について説明しよう。これはつまり、その外部パワーアンプの再生可能な音域を示すスペックだ。もちろん、単に出せるかどうかではなく、オーディオ機器として実用的なクオリティにて再生できる音域がどのくらいなのかを表している。なお単位には「Hz(ヘルツ)」が使われている。音域の範囲は音階ではなく、周波数にて表されているというわけだ。

かくして、この範囲が広ければ広いほどその外部パワーアンプは高性能だと推測できる。しかし、それにてすべてを判断するのは早計だ。例えば、40Hzから20kHzまでを再生できるとしているモデルがあったとして、その範囲をどのようなクオリティで再生できるかはまた別の話となるからだ。

◆周波数特性の範囲が狭くても、範囲内の音の再現性が高ければむしろ高性能!

仮に、再生可能範囲の下限が40Hzとされているモデルと60Hzとされているモデルとがあったとして、そうであると前者の方が高性能であるかのようにも思えるが、60Hzあたりの音の再現性だけを比べてみると後者の方が良好、というケースも出てくる。そうであれば後者の方がスペックとしては劣っていても外部パワーアンプとしての性能はむしろ高いとも言える。

なので、当スペックにとらわれすぎる必要はない。参考程度に見るにとどめて、優劣(好みに合うか否か)の判断は実際に音を聴いて下すべきなのだ。

次いでは、S/Nについて説明しよう。なおこの正式名称は「Signal to Noise Ratio」で、音楽信号(シグナル)と雑音(ノイズ)との比率を示すスペックだ。単位には「dB(デジベル)」が使われている。

◆「S/N」は数値が大きいほど工業製品として優秀。しかし音響機材としては…

ちなみにS/Nの分母は「ノイズ」であるので、数値は大きい方がノイズの比率が低い、つまり工業製品として高性能だと推測できる。しかし音質性能が高いかどうかは、また別問題だ。

ちなみにいうと、高額なモデルになればなるほど当スペックは大きくなる傾向がある。なので当スペックが良いに越したことはないこともまた確かだ。しかしどんな音がするかまでは推し量れないということは、頭の中に入れておきたい。製品選定においてはやはり、「聴いて選ぶ」ことがもっとも重要だ。

ところで、S/Nというワードは、システムの印象を語る際にもしばしば使われる。その際には数値としての評価ということではなく聴感上でノイズ感が少ないかどうかを言うときに、「このシステムはS/Nが高い」というように使われる。

今回は以上だ。次回も外部パワーアンプ選びにおけるチョイスのポイントについて説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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