自動車向け炭素繊維、EUで原則禁止を検討、東レや三菱ケミカルなど“夢の素材”に打撃[新聞ウォッチ] | CAR CARE PLUS

自動車向け炭素繊維、EUで原則禁止を検討、東レや三菱ケミカルなど“夢の素材”に打撃[新聞ウォッチ]

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高性能スポーツカーを中心に、自動車の素材に広く使われるれ炭素繊維(カーボン)。写真はバックドアへの採用例
  • 高性能スポーツカーを中心に、自動車の素材に広く使われるれ炭素繊維(カーボン)。写真はバックドアへの採用例
  • トヨタ GRヤリスのルーフに採用されているカーボンルーフ
  • 帝人とGMが共同開発したカーボンプロ・ボックス

トランプ米大統領が打ち出した輸入自動車への追加関税の強権発動で、自動車業界は頭を抱える日々のようだが、そんな中、米政権による「関税ショック」とは別の悩み事が、こんどは欧州連合(EU)から伝わってきた。

EUが自動車の材料として使われる炭素繊維について、原則禁止を検討していることがわかったという。きょうの日経が1面トップで報じているが、それによると、EUは廃棄車のリサイクルを規定する「ELV指令」の改正に向け協議中で、EUの立法機関である欧州議会がこのほど提示した指令の改正案で、車向けの使用を大幅制限する有害物質の項目に炭素繊維を加えたという。

廃棄する際に、細かい繊維が人体に悪影響を及ぼす恐れがあるとみているのが禁止する理由のようだが、改正案が成立すれば、世界で初めて炭素繊維が使用規制の対象となるとみられる。

炭素繊維は鉄やアルミより軽くて強度が高い“夢の素材”ともいわれており、航空機以外にも高級車やスポーツカーを中心に、バックドアやボンネット、ルーフ、電気自動車(EV)向け電池のケースなど強度と軽量化が必要な部材で使われている。

東レを筆頭に三菱ケミカル、帝人の3社で世界シェアの半分以上を占めており、制限されれば日本の先端素材産業に打撃となる。ただ、正式決定すれば、2029年にも適用が始まる見通しだが、「炭素繊維を手がける業界団体や企業による反発は必至で、最終的に改正案から削除される可能性もある」(日経)とも伝えている。

2025年4月9日付

●米へ輸出八方塞がり、海外拠点も高関税、米相互関税第二弾発動、60か国・地域に、日本は計24%きょう午後(読売・1面)

●株反発1867円高、日経平均交渉期待(読売・1面)

●USスチール買収計画進展か、再審査結果「45日以内」 (朝日・1面)

●鈴木修さんお別れの会、1900人献花 (朝日・6面)

●「地元の足」やりがい感じるが、ライドシェア1年、課題指摘も (朝日・23面)

●日産、米に生産移管、福岡の工場一部車で検討(毎日・4面)

●適正な価格転嫁要請、賃上げ中小まで、自工会へ経産相(毎日・6面)

●独アウディ、対米輸出停止(産経・10面)

●トヨタ、3月の中国販売は17%増(日経・10面)

●社説、ETC障害、再発防止に万全を期せ(東京・5面)

●車の炭素繊維EU禁止案、東レや三菱ケミ先端素材に打撃、廃棄時、人体に悪影響懸念 (日経・1面)

●マスク氏、関税撤回直訴、トランプ氏に (日経・11面)

●車電池向け投資凍結、欧米EV販売失速響く、三菱ケミ、米英で延期、旭化成は韓国見送り(日経・13面)

●自動運転車の重大事故、調査体制、航空・鉄道並みに、運輸安全委が対応、国交省方針 (日経・32面)

《福田俊之》

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