イギリスの冒険家ベン・クームズ氏が、1974年製の「クラシックミニ」で世界最高峰の火山オホス・デル・サラド(チリ)への挑戦を行い、4000マイル(約6400km)の過酷な旅を完遂した。
この挑戦で注目されたのは、ファルケンの標準的な道路用タイヤ「FK-07」を装着したまま、一度もパンクすることなく目的地に到達したことだ。
クームズ氏は「Mini6000」と名付けたこの旅で、ウルグアイのモンテビデオを出発し、アルゼンチンの中央平原を経由してチリのアタカマ砂漠にあるオホス・デル・サラドを目指した。この火山は標高6893mで、世界最高峰の火山として知られている。
旅の途中では、気温がマイナス20度まで下がる極寒や、砂を巻き上げる強風など、過酷な環境に直面した。さらに、600kgのミニに200kgの装備を積載しての走行となり、車両への負担も大きかった。高度が上がるにつれて、エンジンへの空気供給量が25%も減少し、ミニもドライバーも呼吸困難な状況に陥った。
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クームズ氏は、この厳しい環境に備えてタイヤの選択に妥協せず、信頼できるブランドとしてファルケンを選んだ。
ファルケンのタイヤは、急斜面の若く鋭い岩場でも耐久性を発揮した。クームズ氏は「トラクションを得るために時々タイヤの空気圧を下げましたが、一度もパンクしなかった。どんな路面でも、タイヤのことを心配する必要はなかった」と語っている。
最終的に、ミニは世界最高所の道路よりも高い地点まで到達し、目標の6000mまであと100mというところでキャブレターのトラブルにより断念。しかし、下山後も含めて1500マイル(約2400km)の帰路もファルケンタイヤは問題なく走り切った。
この挑戦は、クラシックカーでも現代の標準的なタイヤで極限の環境に耐えられることを示した。ファルケンは、クラシックカー向けに12インチや13インチなどの小さいサイズのタイヤも販売しており、今回の成功はその性能の高さを証明する結果となった。
クームズ氏は次の冒険でもファルケンタイヤの使用を検討しているという。クラシックカーの魅力と現代のタイヤ技術が融合した今回の挑戦は、自動車愛好家たちに新たな冒険の可能性を示唆している。