日本自動車工業会(自工会)は、型式指定申請における不正行為の再発防止と未然防止に向けた新たな取り組みを発表した。
この取り組みは、国土交通省の指示を受けて会員企業13社が実施した実態調査の結果、5社で型式指定申請に関する不正行為が発覚したことを受けてのものである。自工会は一連の不正行為を重く受け止め、業界全体で再発防止と未然防止に全力で取り組むことを決定した。
自工会は、各社トップを中心に議論を重ね、2つの基本スタンスを定めた。1つ目は「各社トップ自らが経営課題として認識し、トップ同士が話し合う場を作り、共通で取り組む方向性を継続的に議論する」こと。2つ目は「各社の再発防止/未然防止策の取組事例について共有し、学び合い、教え合いの機会を設ける」ことである。
これらのスタンスに基づき、自工会は4つの観点から具体的な方向性を示した。
まず、プロセス/マネジメントでは、経営者自らによるコンプライアンス意識の徹底や、現場の声が経営中枢に届く仕組みの構築、社内のガバナンス強化を推進する。
組織体制では、開発・認証の組織体制やマネジメントの分離を行う。
認証試験体制では、担当者による認証試験業務の実行において解釈の差が生まれない仕組みを構築し、データの記載・転記の誤記や書き換えを防止する。
人材教育では、社員へのコンプライアンス教育を強化する。
自工会は、これらの取り組みを通じて業界全体のコンプライアンス強化と不正の再発防止・未然防止につなげていく方針だ。各社が事情に応じて実践しながら、継続的に学び合いを行っていくとしている。