横浜市は11月12日、ふるさと納税の返礼品としてマツダとコラボレーションした「マツダ・プレミアムドライビングレッスン」の提供を決定したと発表した。この特別なプログラムは、マツダの研究開発拠点の一つ、マツダR&Dセンター横浜で実施される。
返礼品の目玉は、マツダの独自価値である「走る歓び」の創造に携わってきた「操縦安定性能エンジニア」の虫谷泰典氏によるドライビングレッスンだ。参加者は、自動車研究開発の歴史や魅力についての講座、開発者育成のための社内教育プログラム体験など、「ひと中心」のクルマづくりの裏側を体験できる。
プログラムは2025年2月1日と2日の2日間にわたって開催され、各回6名、合計24名を募集する。参加要件は18歳以上で自動車運転免許保持者であること。自家用車での来場が必要だが、マツダ車以外での参加も可能だ。
寄附金額は1件8万円で、受付期間は2024年11月13日から2025年1月20日までとなっている。
横浜市は、ふるさと納税をきっかけに観光や地域経済の振興につなげることを目的として、返礼品の拡充に取り組んでいる。今回のマツダとのコラボレーションは、地元企業の技術力をアピールする機会となる。
マツダの操縦安定性能エンジニアの虫谷泰典氏は、近年のマツダ車の「乗り味」をつくりこむ統合制御システム開発本部兼操縦安定性能開発部の首席エンジニア。クルマにラジコン、サッカーが大好きだった少年時代を経て、高校ではサッカーのユース日本代表に。数多のスカウトを受けるも、クルマに携わる夢を捨てきれず、マツダに入社し、マツダサッカークラブ(現サンフレッチェ広島)に所属。プレミアリーグ(イングランド)への留学も果たすが、世界レベルの技術やメンタリティの差に衝撃を受け、悩んだ末、「35歳の時に胸を張ってマツダのエンジニアだと言えるようになろう」と人生をリ・スタート。地道な努力を重ね、クルマの信頼性能や操縦安定性能などの開発に携わる。海外駐在後に手がけた『プレマシー』が評価され、現在のマツダ車に共通する独自の「乗り味」の基盤を作り上げたひとりとなっている。