シャープは10月10日、プラズマクラスター技術が実車運転中の運転能力向上に効果があることを世界で初めて実証した、と発表した。
ベトナムのホーチミン市内で現地ライドシェア会社の運転手50名を対象に実験を行い、客観的な評価と運転手の主観的な評価の両面から効果を確認した。
実験では、運転手にプラズマクラスターイオンを照射しながら実車運転を行わせた。その結果、84%の運転手で急ブレーキや急ハンドルなどの急動作が減少し、1人当たりの急動作が1日平均で37%減少したことが確認された。
さらに、運転手へのアンケート結果から、21%の運転手で眠気が抑制され、通常より覚醒した状態で運転できたことや、22%の運転手が通常よりも高い集中力を維持できたと実感していることも明らかになった。
シャープによると、死亡事故につながりやすいとされる漫然運転を、プラズマクラスター技術により抑止できる可能性を示せた今回の研究結果は、大きな意義があるという。
プラズマクラスター技術は、自然界に存在するものと同じ正イオンと負イオンを利用した空気浄化技術で、シャープは20年以上にわたり研究を重ねてきた。同社は今後も人体への効果やそのメカニズムについて検証を進め、効果の信頼性向上に取り組むとともに、新たな分野への応用可能性を追究していく。