日本カーシェアリング協会は9月9日、免許返納をきっかけに乗らなくなった車の寄付を募集すると発表した。
同協会は2011年に東日本大震災の被災地である宮城県石巻市に設立された非営利団体。寄付で集めた車を使って新しい支え合いの仕組みを作ることを目的としている。これまでに全国の個人・法人から2260台の車の寄付が寄せられている。
協会は敬老の日に合わせ、高齢ドライバーが免許返納等を理由に乗らなくなった車の寄付を広く募集している。長年愛用してきた車を手放す際に、約6割の方が喪失感を持つと言われているが、車の寄付は社会貢献に直結し、愛車を手放すときの「前向き」な選択肢として喪失感を和らげることができる仕組みだ。免許返納をきっかけに車を寄付した方からは、「免許返納で愛車と別れるのは辛いが、そのことが困っている方の役に立てるという意味づけがあると慰めになる」という声も届いているという。
免許返納は自身と周囲の安全を守る大切なステップであるが、それと同時に、車を寄付することでさらに社会貢献ができる機会を作ることができる。寄付された車は、地域内での移動支援活動や生活が厳しい方への支援、災害時の無償貸出支援など、地域社会においてさまざまな形で活用される。
また、廃車予定や動かない車、車検切れの車の寄付も全国から受け付けている。寄付された車は、協会が提携する自動車リサイクル会社で廃車・リサイクル処理を行い、その過程で算出されるパーツや資源の金額が協会への寄付金となり、災害支援等の活動資金や寄付された車の維持費などに活用される。
同協会は、車を手放すときの「前向きな」選択の形として、「車の寄付」を世の中に広く提案していく方針だ。
募集車両は軽乗用車、普通車、8人乗りの車などで、車検が6ヶ月以上残っている車両、車齢が15年以下及び走行距離が15万km以下の車両、安全快適に走行ができることが条件となる。また、廃車予定や動かない車の寄付も受け付けており、車検が切れている車、長年動かしておらず運転が難しい車、事故車などが対象となる。