ドルビージャパンは、移動が「手段」から「目的」へ変化した先にある車×エンタメ消費行動を予測した。
移動手段としての車が、自動運転技術の発展により、新たな「余暇時間」を提供する場へと変貌しつつある。通勤や通学の時間帯にスマートフォンでコンテンツを楽しむ現代人にとって、車内でのエンタメ消費は今後の大きなトレンドとなる。
日本生産性本部の「レジャー白書2021」によると、コロナ禍の外出自粛を背景に、動画鑑賞や音楽鑑賞などのエンタメ消費が増加している。移動時間が余暇時間へと変化する中、自動運転の実現は車内でのエンタメ体験を一層豊かにすると予測される。
ビズヒッツの調査では、約93%の人が通勤中にスマートフォンを利用しており、移動中の余暇時間を有効活用していることが明らかになった。自動運転が進めば、車内での余暇時間はさらに価値あるものへと進化するだろう。
自動車業界は、車内エンタメ体験の向上に向けて様々な取り組みを進めている。メルセデス・ベンツは「Dolby Atmos」を搭載し、立体音響技術による没入感ある音響体験を提供。DUAL MOVEは「車窓XR」を開発し、車窓越しの景色にCG映像を重ね合わせる技術で新たな視覚体験を創出している。アウディは「Holoride」を通じて、車内でのゲーム体験を実現し、車の動きと連動することでより高い没入感を提供している。
これらは自動車メーカーの取り組みの一例に過ぎず、今後もテクノロジーの進化により車内エンタメ体験はさらに多様化すると見られる。自動運転の先にある「車の4th Place化」は、移動が生む新たな余暇時間として、私たちの生活に新しい価値をもたらすことになるだろう。