TARO’S WORKSは、3月5~7日に東京ビッグサイトで開催される「第21回 国際オートアフターマーケットEXPO 2024」(IAAE 2024)に出展し、整備事業者やタイヤ販売店、運送事業者などにトラックタイヤ用のトルク管理ソリューションを提案する。
出展するのは、米インガソールランド社のバッテリー式ナットランナーに、自社設計の反力受けを組み合わせたトラックホイール専用のコードレス電動トルクレンチ「QXトラックトルク」と「TTMS(トラックトルクマネージメントシステム)」で、次世代のサービス品質を支えるトルク管理ソリューションとなる。
ホイールナットの締め付け作業をデジタル制御により数値化し、本数の監視や締め忘れ検出機能で人為的な作業ミスの回避が可能。さらに、無線通信によるネットワークを構築してツール制御と実行結果のデータを一元管理できる機能を備えたクラウド型ソフトウェアも同時に展開。ホイールナット締付けだけでなく、テキストデータ、写真画像など、日々の車両点検情報を記録する独自プラットフォームを構築できる。
「QXトラックトルク」は、大型車新ISO方式だけではなく、小中型JIS方式ホイールの車両にも対応。スマート端末から「TTMS」を介して車両データ(仕様)を呼び出し、ツール設定を自動選定と同時に指示するため、“数値入力ミス”などの誤操作を防止できる。オペレーターはツールをあてがい、“ターゲットに対して締めるという行為をするだけ”という作業の標準化が可能となる。
「QXトラックトルク」は、“より迅速に、より正確に、より安全に”という製品コンセプトから、±5%以下の高精度トランスデューサーを採用。回転角度監視による二度締め検出・実行本数監視機能も搭載する。これにより全てのナットが目標トルクで適切に締め付けられたことを、実行データと二度締め検出信号をもとに監視。「締め付けレポート」「車両」「作業者」が紐付けられた実行結果はリアルタイムでクラウド上に反映される。
作業工程はシンプル。トラックのドア部などに貼られたQRコードから車体情報を判別し、システムを介して端末へ送られてきた指示通りに締めていくだけ。それにより「いつ」「誰が」「何を」「どのように」作業を行ったというエビデンスを残すための仕組みが構築されるようになる。
例えば、何レーンも使用してタイヤ交換をするような現場では、作業全体をモニタリングできる仕組みの構築可能だ。一方、簡易的な管理を希望する場合は、ツールとスマート端末間をBluetoothでペアリングすることで、モバイルアプリでデータを収集。そのデータをCSV形式で出力するという活用方法にも対応できる。
自動走行車両の運用では、より一層安全で効率的な物流を実現するために車両のメンテナンス管理は重要になる。特にホイールナットの締付け管理は、重大事故に直結することが多く、追跡可能なソリューションにすることで、無人運用の効率化に役立てる次世代のサービスとして開発した。
近年は、大型車の輸送量増加の影響もあり、ホイール脱輪事故が増加傾向にある。トルク管理をデジタル化し、作業履歴をトレーサブルにシステム構築することは、タイヤ交換時の締付けだけでなく、増し締め啓発にも貢献する。運送事業者の運行管理など社内システムとの連携も進めており、様々な作業記録の付与による包括的な車両管理システムへ発展したい考えがある。