BMW『5シリーズ』に“ツーリング”が初めて設定されたのは1992年、3代目5シリーズ(E34)の時。日本市場ではひと足早く1991年に用意された「3シリーズ・ツーリング」(E30)に次ぐモデルだった。
写真のカタログは92年および93年のものだが、この頃はまだ専用のカタログの用意はなくセダンと共通。
最初に設定されたのは「525iツーリング」の1モデルで、セダンと同じ2493ccの直列6気筒DOHC24バルブの25 6S型エンジンを搭載。最高出力は192ps/5900rpm、最大トルクは25.5kgm/4200rpm。
4バルブ・クロスフローシリンダーヘッド、ペントルーフ型燃焼室、ダイレクトイグニッションシステムほか、バルブタイミングを最適に制御するVANOS、DME(デジタル・モーター・エレクトロニクス)なども採用。トランスミッションは電子式油圧制御5速ATで、ギヤ比は最終減速比を含めセダンと共通。
右ハンドルのみの設定で車両重量は1670kg、これはセダン+110kg。タイヤサイズは225/60R15Vでセダンの525i(205/65R15V)ではなく535iと同じサイズで、トレッドは前:後=1470:1495mmと、リヤがセダンより10mm広くなっていた。サスペンションはフロントがストラット、リヤはセミトレーリングアーム。
ベロアカーペットが敷き詰められたラゲッジルームは上質な設え。最大積載量は1700リットル。後席は1:2の分割可倒式とし、長手方向は1088~2000mm(幅は930mm)のスペースが確保されていた。それとリヤゲート全体を開けずにラゲッジルームへのアクセスを可能にしたポップアップ式リヤウインドゥの採用も新機軸のひとつだった。