2020年3月より各カーメーカーから届け出がある燃料ポンプのリコール問題について、燃料ポンプのメーカーであるデンソーが、燃料ポンプの作動不良から停車してしまう場合は、自身や同乗者の安全を確保するよう、呼びかけている。
リコールの対象となっている燃料ポンプの不具合は、燃料ポンプを構成する部品の一つであるインペラにおいて、樹脂密度の低いものが燃料によって変形し、作動不良につながるというもの。最悪の場合、走行中エンストに至るおそれがある。
エンストを起こして停車する場合は、車両の取り扱い説明書などに記載の注意事項に従い、運転者や同乗者の安全を確保をするよう、デンソーでは呼びかけている。
◆事故や故障で車が停止した場合の対処法
事故や故障で車が停止した場合、適切な対応が命を守る。以下に、高速道路事業者がウェブサイトなどで公表している対処法をまとめた。一般道でも参考になるだろう。
●車を路肩に寄せる
車にトラブルが発生した際は、充分な幅がある路肩や路側帯に寄せて停める。橋やトンネルなど、路肩が狭かったり、路肩がなかったりする場合、可能な限り広い所まで自走する。
●歩き回らない
事故や故障で車が停止した場合、本線や路肩を歩き回らないことが重要だ。停止車の運転者や同乗者が後方から来た車にはねられる事故が多発しているという。特に、車外への避難中や、道路上での話し合い、非常電話での通報のための歩行、路肩でのパンク修理などは要注意だ。
●後続車に合図する
後続車の運転者が停止車両に気づいているとは限らない。ハザードランプ、発炎筒、停止表示器材を用いて後続車に対する安全措置をとる。これらの器材は車の後方に無理のない範囲で設置し、設置のために移動する際は、ガードレールの外側や中央分離帯に沿って移動すること。緊急事態に備え、停止表示器材(三角表示板等)と発炎筒は必ず積載する。発炎筒はおもに助手席の足元にある。緊急時にそなえ、いちど手にとって確認しておくといいだろう。
●安全な場所へ避難する
運転者も同乗者も全員、通行車両に注意しながらガードレールの外など、安全な場所にすみやかに避難する。橋や高架など外側に避難できない場合は 、追突された際に巻き添えにならないように、車より後方に避難する。車の中に留まることは危険だ。後続車に追突される事故が多発しているという。
●通報する
事故や故障状況を「110番」、「非常電話」、「道路緊急ダイヤル(#9910)」のいずれかで通報する。非常電話は本線上(1kmおき)、トンネル内(200mおき)、インターチェンジ、SA、PA、バスストップ、非常駐車場に設置されており、受話器を取るだけで道路管制センターにつながる。携帯電話から通報する場合、場所が特定できるように、路肩にあるキロポストの数字を伝える。
以上の対処法を覚えておき、高速道路での事故や故障時に冷静に対応し、自身と他者の命を守ることが大切だ。
デンソーでは「お客様ならびにカーメーカー様にご心配・ご迷惑をおかけしておりますことを、心よりお詫び申し上げます。お客様の安心・安全を第一に考え、対策した部品を一日でも早くお客様へお届けできるよう、最善の努力を続けてまいります」と述べている。