クラシックジャパンラリー2023セブンスターズイン九州のラリーパートが11月25日、博多川端商店街(福岡県福岡市)をスタート。11月28日にゴールする門司港駅(福岡県北九州市)まで、約900kmの旅路が始まった。主催は一般社団法人クラシックジャパンラリー。
◆クラシックカーを次世代に繋げるために
毎年秋に九州を舞台に開催され、今回で5回目となるクラシックジャパンラリーin九州。今年は大きく2つの構成に分けられて行われている。前半は『“ななつ星in九州”との旅』と題され、九州旅客鉄道(JR九州)が運行する周遊型臨時寝台列車、ななつ星in九州にて11月21日から24日まで九州を旅するとともに、その途中でクラシックカーに乗り換えななつ星では訪れない九州の地域を周るもの。今回は10台のクラシックカーが参加した。
そして後半は11月25日から28日かけて福岡市や長崎、熊本、山口などを経由し、門司港にゴールするラリーで、1920年代から1970年代のクラシックカーが41台、82名が参加している。
このイベントの目的は、歴史的建造物と同じようにクラシックカーも歴史的に重要な文化遺産であることに間違いはない。そこで次世代を担う子供たちにクラシックカーに触れる機会を設け、エンジン音を体感してもらうことで、美しいものへの憧れと、維持するための技術に興味を持ってもらうこと。そして、その維持のためには日本の技術を支えてきた職人がいることを知ってもらい、そういった人たちへの尊敬心をはぐくむ機会にすること。その結果として一人でも多くクルマ好きが増え、将来に向けてクラシックカーが愛され受け継がれていくようにしていきたいというものである。
◆特別に許可されて商店街からスタート
スタート初日の25日は、冷泉公園(福岡県福岡市)に集合後、博多祇園山笠などの催事を行う櫛田神社にて安全運転のご祈祷を受けたのち、車両を博多川端商店街に移動させオープニングセレモニーを開催。本イベントの実行委員会顧問を務める衆議院議員の井上貴博氏も駆けつけ、大会趣旨説明とともに、「本大会に参加することで、美しい九州の風景を見ていただき、また日本の歴史において重要な役割を担ってきたこの九州の魅力を再確認してもらえる素晴らしい機会がこのイベントだ」とコメントし、一人でも多くの人に九州の魅力を知ってもらいたいと強調。
また、上川端商店街振興組合理事長の正木研次氏も、「商店街としていろんなイベントをやっているが、コロナ禍もあり、なかなか人が集まらず、人が協力できずというかなり厳しい状況にあった。しかし今回、大勢の方に出場してもらい、来場してもらえたことで、福岡が本当に豊かな都市になり、どんどん伸びていっていることを肌で感じ取ることができた」と述べ、このイベントが集客の大きなきっかけになっていることを示唆した。
オープニングセレモニーが開催された博多川端商店街は、いわゆるアーケードタイプの商店街で、普段は車両の進入は禁止されている。しかし、このイベントでは、2018年開催時から車両の進入が許可された。これは主催者が熱心に大会趣旨を説明し、地元商店街がそこに賛同。警察などに協力を求めた結果のようだ。つまりは人の結びつきがイベントの成功を生んだのである。その結果として、スタート地点から表通りに出るまでの長い商店街には老若男女、多くの観客が詰めかけ、笑顔で声援を送り、参加者たちはそれに応えるように手を振り返すというコミュニケーションが生み出されていた。
4日間のスケジュールだが、初日は佐賀を経由し長崎の雲仙に宿泊。2日目となる26日は長崎の島原港からフェリーで熊本に渡り大分市別府まで。3日目は子供たちがクラシックカーと触れ合える機会を作ることを目的に、大分県豊後高田市立高田小学校を訪問。その日は山口県長門市まで。そして最終日は関門海峡を渡り門司港駅に午後早い時間にゴールする予定となっている。